現在は渡航自粛指示がでているので、平壌の観光スポットについて書いてもあまり役にたたないのだけど、現在公開中の映画「太陽の下で」に衝撃的シーン(?)があったので、レポートを・・・・。
私の同級生の母親で(日本占領下の)平壌生まれという人がいて、そのお母さんは里帰りができないため、平壌が映るニュース等があれば、食い入るように見ていた・・・という話を聞いたことがあるのだけど、私も20世紀に行った平壌を再訪するのは難しく、やはりメディアに頼るのみ、である。最近はニュースも多いが、平壌はなかなか映らない。
平壌を訪れる時に、万寿台の「偉大な指導者」の銅像とその横にある記念碑を観に行くか、というのは一つの観光ポイントになる。この場合、銅像を見る時は(私が行ったときは金日成が死んだ直後で「偉大な指導者」の銅像はひとつしかなかったはずなのだけど、今回の映画を観ていたら、二つになっていた。)必ず献花が必要(これは平壌市民、北朝鮮のお上りさん、外国人の皆が同じルールになっているようである。)とのことで、私が行ったときは前泊地の北京で添乗員からその話が出た。しかも、平壌は花不足(金日成が死んだ直後で、献花する市民が花を買い求めて殺到したため、という説明だった。)なので北京で買って高麗航空(ちなみにこの会社は今年になって経済制裁対象になった。乗らないように。)に持ち込むという。
ツアーには、その国のルールには従うというという大人の人が多かったので(?)その場でみんなで少しずつお金を出し合うことになり、北京で買った鉢植えの土付きの花は、順安空港の検疫もなぜか通ったらしく(私はこの件とプラス色々で北朝鮮の検疫、イミグレは全く信用していない。)、高麗ホテルで実物をみせてもらった。
上述の映画を観る場合は、ラストシーンに出てくるのだけど、平壌に行ったことのある人であれば「お参りの仕方」は分かると思う。添乗員が花を持って、その後ろをついていき、「偉大な指導者」の銅像に一礼して、下がっていく・・・初詣みたいなものである。膨大な量の花束が置かれていて、北京から持ってきたとはいえ、特に目立たず、埋没していた。この花束は一体どうするんだろう・・・・西側から来た人間はそういう発想しかできないのは、ご存知のとおりである。
が、このロシアのドキュメンタリー映画の監督は「そのこと」を撮影していたのである。最後のクレジットが出てきている本当にラストシーンだったのだけど、花束を一つずつ金属探知機で確認していき、そのあとに係員がゴミ台車に花束を無造作に投げ込んでいく場面を・・・・。
花束を投げ込んでいくのはともかく、一つずつ金属探知機(空港で使われるあれ、である。)でチェックしていくのにはかなり衝撃だった。そんなに信用できないのね。・・・・と。この映画、古き良き(?)北朝鮮を知ってる人にも、経済制裁解除後に行こうとしている人にも必見である。主人公のジンミちゃんも可愛い・・・・。