レポート

歩き方ラオス編2019~20 (2018.11)感想

公開日 : 2018年11月25日
最終更新 :

最新の地球の歩き方ラオス編、自分には必要ないが、日本人旅行者にはこのガイドを手に旅行される方も多いのでレビューを投稿させてもらいます。あくまで私的な感想です。

相変わらず情報量が薄いのが本を開いての率直な印象。相変わらずと書いたけれど、以前はもっと内容があった。

特集ではビエンチャンのタートルアン祭りを取り上げている。写真がメインでアクセス方法や時間などはあいまい。

コラム的な特集記事。不発弾と暮らす人びと、ラオス内戦時代の洞窟。

これらの戦乱に関係する記事は必要な人には必要なのかもしれないが、観光ガイド本の内容には不向きに思う。
時代は移り変わっている。そこには戦争の跡みたいなものしか、見るものがないのだろうか。

ラオス革命に取り残されたアメリカに利用されたモン族の人たちが政府軍とベトナム軍によって包囲迫害されているという竹内氏の記事も相変わらず。
内戦の終結後も和解できないでいる人たちとは別に、多くのモン族の人たちが村落に定着して生活している現状がある。旅行者が誤解するような文章と思う。

宿情報などは変化が早くて難しい面があるのは承知している。

ラオスは高級ホテルを利用するようなツアー客は少なく、バックパッカーのような若い人が多い。カタログ的でもいいからゲストハウスのような安宿情報を充実させたら利用価値が上がると思う。
ルアンパバーンで以前利用した常宿、今の宿は市内の地図にすら見えない。

今年6月コンロー洞窟で泊まった宿はすでに経営が変わって名前も違っている。このガイド本ではそのまま。
この地域の隠れ里のような優しい人々の暮らしと湿地の緑の美しい景観。良かった時代は過ぎてしまったように思った。

インターネットでリアルタイムの情報が取れる時代に、出版物は後れを取らざるを得ない。

今の時代、どんな内容を読者に伝えるのが大切なのか、編集者の力量が問われるところだ。

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3件のコメント

  • アメリカに利用されたモン族

    このモン族のことは読み飛ばしていたけど、 モン族というのはわたしらでいうところの ハモングスのことなのですね。

    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%B3%E6%97%8F

    ここ20~30年のあいだにカリフォルニアに難民としてながれてきたひとたちが多いようなのですが、この "アメリカに利用された" といったようなことはぜんぜんしらないです。ここにあるように Central Valley のほうで

    https://en.wikipedia.org/wiki/History_of_the_Hmong_in_California

    百姓やっていて日曜市とかで LA とかで の近所とかに よく売り子としてみかけます。
    調べてみないといけないですね。 これは。
    歩き方でなく おすすめの本あります?

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    ラオスのこと、モン族のこと

    ポチさん、こんにちは

    ポチさんが上げたウィキペディアの記載のようにインドシナ半島の先住民モン・クメール系民族のMonと区別するために有気音を頭につけてHmong族と呼ばれたり、表記されたりします。
    以前はミャオ族とかメオ族とか呼ばれたりしましたが、メオとは猫(モン語ではミーと呼ぶ)のことで今は蔑称とされています。
    モン族の人たちは勉強熱心で日本に留学生としてきている人も多いです。

    ラオスの内戦はベトナム戦争と密接に結びついていて、ベトナム戦争の戦場はベトナム国境を越えてラオスの山間部(ラオスは国土のほとんど山間部なのですがベトナムに隣接する県と思ってください)が主戦場でした。

    参考になりそうな本をあげておきます。

    1.空の民の子どもたち(安井清子著、社会評論社、2001.1)
    著者がボランティアで出会ったタイの難民キャンプのモンの子どもたちの話。彼女の人生の出発点になった。

    2.象の白い脚(松本清張著、小学館、2017.1)
    松本清張の古いサスペンス小説。内戦の頃のビエンチャンに住む外国人と怪しい交易の秘密。文春文庫からも。

    3.ラオスは戦場だった(竹内正右著、めこん、2004.12)
    フォトジャーナリストの竹内正右さんのラオス内戦を証言する写真を掲載する。

    4.知られざる戦場 ラオスからの出発(瀧山正夫著、文芸社、2004.8)
    アメリカの軍事介入と結びついた民間会社の操縦士の話。興味深いけれど全部は読んでいない。

    ここからあとは、ちょっと難しい本です。

    5.A History of Laos(Martin Stuart-Fox著、1997.9)
    日本語版はラオス史(菊池陽子訳、めこん、2010.11)。通しで読むのは難しいので、わたしは調べたいところだけ拾い読みしている。原著者からはHistorical dictionary of Laos(1992)という本も出ている。

    6.ラオス農山村地域研究(横山智、落合雪野編、めこん、2008.3)
    ラオス研究者の共著なので関心のあるところだけ拾い読みしても構わない。「消えゆく水牛」なんて章もある。

  • 歩き方の内容について

    旅情報誌の内容については、最新版でも現実に合っていないことが多々あります。実際に現地に行ってみて違いが判ることがあります。特に経済成長の速い国では公共交通の運行スケジュールやバスターミナルの位置、発着場が頻繁に変更されています。アジアではべトナムなどでよくありました。数年前、ルアンバパーンに滞在した時には、歩き方に掲載されていた店がなくなっていたことがありました。
    活字情報に加えブログなどSNSネット情報をうまく利用していくことが重要だと思います。このブログ情報についても時期が古かったり、個人的な感想が入っている場合があるので、その辺の見極めが肝要だと思います。旅先で頼りになるのは、結局は自分の旅行の’カン’ではないでしょうか。

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    山横目さん

    コメントありがとうございます。

    出版物は情報の遅れはやむなく、現状は早々と変化していきますね。
    もとよりラオスの歩き方にはバスの発車時刻や所要時間もあいまいで、それがラオスらしいところでもあったのですが。

    だとしたら、ガイド本、情報誌に必要なのはどんな情報なのかを再検討したほうがいいのかも。

    町から町への移動はどうすればいいのか。
    バスターミナルへの行き方。チケットの買い方。旅行社かバスターミナルの窓口か。

    食事はどんなところでとるのがいいのか。清潔なのか、安全なのか。

    日本語ガイドは必要か。なくても大丈夫なのか。ガイドはどんなふうに役立つのか。

    など、初めての旅行に役立つことが大切かもしれません。

    バスやロットトゥー、ソンテウなどの出発時間、所要時間、運賃などの基本情報は調査した時点のもので良い。調査日入りのちゃんとした情報があれば、旅行したときに変化があっても旅行者は納得できるのではないかと思います。本の改訂の都度、調べることができていないんじゃないか。

    新しい版ではコラムの特集記事でサイニャブリ県のバーンビエンケオというタイルー族の象の村も取り上げられていました。ムアンホンサー(ホンサー郡の中心都市)の隣の村です。
    ここはタイのナーンからルアンパバーン行の中型の国際バスで来ることができるのですが、そのバス情報も載っていませんでした。こういうのもちゃんと調べれば載せることができるはず。

    辛口の評価になりましたが、編集者には利用者のためにがんばってほしいところです。


  • 18/11/25 15:56

    出版物の遅れ❗️

    このご時世、インターネット社会で得られる情報は五万とあります。
    出版物として出すのなら内容の充実を❗️

    この地域の隠れ里のような優しい人々の暮らしと、湿地の緑の美しい景観はなくなりつつあるのもわかるような気がします。

    2何前に行き来年1月に再度行きますが……
    かなり変わっているのを覚悟して、楽しんでこようと思います。

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    コンロー洞窟の地域について

    以前は本当に湿原の緑が鮮やかで美しく、村の人たちはつつましやかで外国人旅行者に敬意をもって接してくれました。

    変わりぶりはこの夏レポートしました。
    「コンロー洞窟へ、現況」https://bbs.arukikata.co.jp/bbs/tree2.php/id/480023/-/parent_contribution_id/480023/

    田植えの準備で忙しい時期でした。コンローに入って行く街道のバス駅でソンテウの出発を待っていると、たくさんの水牛の群れが通ります。

    コンローの集落の入口では水牛たちが二つの池でのんびり水浴びしていました。水牛のために掘られた池でしょう。3頭くらいの水牛が頭だけ出して水に浸かり、外にも、二三頭の牛がいましたから、全部で十頭くらい。

    牧歌的な風景に見えますが、田植前の代掻きが水牛の仕事でした。今年は水牛の仕事を耕運機がしています。
    水牛たちは仕事がなくて放されているのでした。

    帰路のソンテウでは農繁期で町へ出ることはごくわずか。村の人は荷台に空のポリタンクを放り上げてきます。
    水牛は自分で草を食べてくれますが、耕運機に仕事してもらうには燃料が必要です。
    村にいても現金収入がなければやっていけない時代に変わりました。人の気持ちも変わっていきます。

    今までの暮らしが夢だったのか。レポートしたように、とにかくお金がなくては、という変化を感じました。