5月29日・・・①「思い出はこの街に」

3年前、ウィーンに6泊、ヴァッハウに一泊してウィーンの街を観光しました。当時の目的はオットー・ヴァーグナーを始めとするユーゲントシュティ-ル建築と、グスタフ・クリムトの絵。

ウィーンの街は、パリの街並みなどのような歴史の重厚さはなく、なんだかスッキリあっさりした街並み。かといって開発されすぎた某都市のような雑然とした面白みのない町ではない。近代的なビル建築も街中に溶け込み、美しい。
これほど近代と現代がうまく溶け合った街はお目にかかった事がないです。

今回のウィーン訪問は、前回の旅行でやり残した事の埋め合わせ。
そしてウィーンが3年でどれだけ変わってしまったかを見てみる事。

とりあえず、今日一日で、この目的を果たしてみましょうか。

朝の観光。目覚まし時計のタイマーを2時間早くセットし間違え、朝6時に観光に出てしまう。ホステルを出てしばらくしてから、この間違いに気づく。
朝6時なんて、観光地はおろかカフェでさえ開いていない。
ガイドブックを開き、この時間帯に開いているカフェに目星をつける。

「カフェ・インペリアル」

最高級ホテル、インペリアル付属のこのカフェ。
なんと7時から開いている。早速セレブの朝食を食べに向かってみる。

さすがに最高級ホテルのカフェです。値段も最高級。
コンチネンタルの朝食だと、なんと24ユーロもする。ビュッフェ形式だと33ユーロ。これにはびっくりです。
コンチネンタルなんて、僕の勝手なイメージですがパン、コーヒー、ジュース、チーズ、ハム、よくてタマゴくらいのイメージしかない。
もし本当にそれだけしか出なければ、24ユーロは高いっしょ?

チャレンジしてみようか、とも一瞬考えましたが、予算の関係で諦め、安い一品朝食(茹でソーセージ)とパン、モカ、オレンジジュースの朝食。

ホテルの宿泊客が朝食を食べに、次々と入ってくる。
朝食はさすがにおいしく、カッぺの僕でもすごく居心地のいいサービスをしてくれる。まさに最高級カフェです。

のんびり朝食を取り終えると、朝の8時過ぎ。ボチボチ国立劇場前売りセンターに並びに行き、今夜の観劇のチケットをゲットしに行く。

センター脇にみゅうのツアーデスクがあったので、市内地図を手に入れに入る。ガイドブックの地図はイマイチ信用が置けませんので、地図は現地調達。
ついでに映画館の情報も聞いてみる。日本ではまだ公開していない「スターウォ-ズ」が既に公開されていたので、旅行最終日に見てみようかな、と思いましたので。

一つわからなかったのは、映画館の仕組み。
日本のシネコンみたいな入れ替え制なのか、前売りを買わないと人気の映画には入れないのか、など。
心配は無用のようでした。ウィーンには多くの映画館があり、よほどの事がない限りチケット購入は容易だそうです。オマケに前売りはインターネットか電話予約しかないそうです。

注意事項は一つだけ。殆どの映画館がドイツ語のみか、一部が字幕無しの英語のみらしい。オーストリア人は字幕というものを知らんのか??

英語上映の映画館は2軒ほど知っていたので、なんとかなりそう。
いい情報を手に入れ、満足して再び国立劇場前売りセンターの列に並ぶ。

僕が欲しかったのはブルクシアターの芝居のチケット。
最近、旅行ではオペラばかりしか見ていないので、変化をつけようと。。。

席は後ろのほう、バルコーンの7ユーロのチケットしかないらしい。
入れりゃなんでもいいや、と購入。

夜の予定は決まった。
後は夜まで久々のウィーンの街を堪能しに行きますか。


  • いいね! 0
  • コメント 1件

1件のコメント

  • 5月29日・・・②「王宮見学」

    まず足を運んだのは王宮、「シシィ博物館」。
    新しい物好きの性格は直らないですな。

    まず銀器コレクションから入り、初期アウガルテンなどの素晴らしい食器類を見学。陶器のトイレなど、思わず中を覗きこんでしまった。。

    出口に出ると、ニ階へ上る階段があり、その上がシシィ博物館。
    シシィことエリーザベトは波瀾の生涯で、オーストリアだけでなく、これから行くハンガリーにおいても非常に人気があるそうで。
    悲劇の生涯など、送りたくて送った人なんかいないでしょうけど、遺品や肖像画を見ていると、なんとなくグッとくるものがあります。

    今回の僕の旅行の目的地であるハンガリーを愛し、ハンガリーの地位向上に勤めた皇后の博物館を見ている自分に、なんとなく運命めいたものを感じる。

    彼女の愛したハンガリーという国は、一体どんな国なのか、ますます興味が涌いてくる。

    10時過ぎ、博物館を出てスペイン乗馬学校の11時からの調教を見ようと、チケット売り場に行ってみる。

    よくみると予約客にしかチケットを渡していないようです。
    駄目もとで立ち席のチケットはあるか、と聞いてみると、

    「今日は駄目、火曜日に来なさい」

    とのこと。

    どうせ火曜日には行けないけど、その時のチケット予約をしてくれる気配もなし。どの道、ネット予約しなければまた門前払いなのだろう。


    さっさと諦め、近くの演劇博物館へ。
    一階部分を改装工事中で、チケット売り場には誰もいない。

    「すんませーん」

    と呼んでみると、工事中のおじさんが出てくる。

    「チケットオフィスに誰もいないんだけど、、閉まってんの?」

    「私だ」

    館員が工事をするとは、以外。

    演劇博物館はその名の通り、オペラ、芝居などの博物館。
    当然展示物も衣装やら舞台のミニチュアやらがメインです。

    偶然でしょうけど前回来た時同様、見物客は僕一人の貸し切り状態。建物も元宮殿ですし、見てみれば結構面白い博物館なんですけど。

    ここでお勧めする目玉は3つ。

    「エロイカホールの天井画」

    「クリムトのヌーダ・ヴェリタス」

    「人形劇の人形」

    エロイカホールのフレスコ画は、この博物館に入って初めて、宮殿だぁ!と感じさせてくれた部屋です。
    逆に言えば、他の部分を見ても宮殿らしくはあまり見えなかったので、ここはなおの事、鮮烈でした。

    クリムトのヌーダ・ヴェリタスは、前回の訪問では展示されていませんでした。確かパネルだけ置いてあったような。
    今回も貸し出しの為、展示されておらず、ちっこいパネルだけありました。

    人形劇で使う人形の展示は、なかなか面白く見れました。
    さして写実的に作っているわけでもないんですけど、どこかおどろおどろしい人形ばかりで、奇怪なキャラの人形もあります。
    どんな役で使うのか不明、みたいな。



    • いいね! 0
    • コメント 1件

    5月29日・・・③「やり残し第一弾、アルベルティーナ」

    アルベルティーナは3年前の当時、改装中の為、入っていませんでした。
    特別展が2つ、「モンドリアン展」と「ゴヤとピカソ」。
    チケットを買う時、何かモゾモゾと言われる。聞き取れなかったので聞き返すと、どこの国から来ました?と聞かれている。
    嘘つく理由もないし、日本、と答えましたが、美術史美術館など、後に行く主要観光地でもどこから来たかを聞かれました。
    旅行者が何人来たか、というのはこうやって調べているのかな??

    「ゴヤとピカソ」では、2人のデッサン以外にもゴッホやセザンヌ等々、デッサン以外にも水彩画なんかもあり、結構な展示。ピカソのデッサンは多くありましたが、ゴヤの方はせいぜい5~6枚ぽっち。
    そういえばゴヤのデッサンなんて見た事ないや。5枚集まっただけでも奇跡、なのかも。

    モンドリアン、というと「ブロードウェイ・ブギウギ」の原色と直線のイメージが強かったですが、今回のモンドリアン展は正統派の油彩風景画に始まって、印象派のようなボヤァッとした油彩、キュービズム、と続いて、彼の画風が変わっていく様子がわかるよう展示されている。

    キュービズムがだんだん直線的になっていき、最後は僕も知っているブロードウェイ・ブギウギのような作品になった。
    画風の変遷はもちろん、モンドリアンが僕も見知ったフツーの油彩を書いていたことも、今回初めて知った。

    ひとつ利口になってしまった。

    しかし、常設展示はレオポルド美術館に貸し出し中の為か、期待ハズレにショボく感じましたが。


    続けて行ったのが美術史美術館。

    時間がないので、見たい絵画だけサッサと見てしまい、ここでの目的である中央階段ホールを見る。

    実際、ここのホール上部のクリムトの壁画を目的にこの美術館を訪れる人って、少なくないと思う。
    今まで行った、どのミュージアムのエントランスホールよりも、ここのホールが一番好きです。

    しかしこの壁画、せっかく部門ごとに書いてあるのだから、エジプト部門の壁画はエジプト展示の入り口に、イタリアルネッサンスの壁画は、そっちの入り口に書いて欲しい。というのが僕のちっぽけな不満。