レポート

リクシャードライバー編その1(バンガロール)

公開日 : 2007年07月23日
最終更新 :

ホテルを変えることにした。
下町のホテルに泊まり、毎日MGロード近辺までリクシャーで通っていたのでは、高くついてしようがない。
いっそ、MGロード近くのホテルに泊まった方が安くあがる。
通りへ出て、リクシャーをつかまえる。
「いいホテル、知らない?」
「いいホテル、知ってるよ。10ルピーで連れていってやる」
第一のホテルに着いた。部屋を見るが、気に入らない。
第二のホテルへ連れていかれる。こんなところに外国人が泊まると思っているのか。
第三のホテルへ連れていかれる。悪かないが、高すぎる。
第四のホテル...。第五のホテル...。第六のホテル...。
いくつまわったのか、わからなくなった。疲れて判断力が鈍るといけない。いったん、チャーチストリートへ戻り、日本食でも食べて一服しよう。
「チャーチストリートへ行って」
リクシャーは次のホテルへ行く。
「ここは知ってる。高すぎるの。チャーチストリートへ行って」
別のホテルへ連れていかれる。廃屋のようなホテルだ。
「チャーチストリートへ行って」
また次のホテルへ連れていかれる。
「チャーチストリートへ行って」
別のホテルだ。
リクシャードライバー(ドライバーAといしておこう)が
「ここも気に入らないのか。じゃ、これから土産物屋へ行こう」
「ノー」
私はリクシャーから飛び降りた。
ここからなら、チャーチストリートは近い。地理もわかる。
どんどん歩き出す。リクシャードライバーAが小走りに追いかけてくる。
「町中走りまわったんだ。金を払え」
「チャーチストリートへ行けと何度も言ったのに、あんたは行かなかった」
「これから行こう」
「もういい」
リクシャードライバーAは、それから数十メートルに渡って、私を追いかけた。が、とうとうあきらめて、リクシャーのところへ戻って行った。
その様子を見ていた他のリクシャードライバー(ドライバーBとしよう)が、私に
「チャーチストリートへ連れていってやろう」
と言う。
断る。
リクシャーでついてきながら、何度も
「乗れ。チャーチストリートまで行くんだろ」
5分も歩くと、チャーチストリートに着いた。
チャーチストリートの入り口に、やしの実売りがいた。やしの実を買い、穴を開けてもらって、ストローをさし、飲む。生き返る。
リクシャードライバーBが
「チャーチストリートへ連れていってやろう」
とまた、言ってくる。
「ここが、チャーチストリートだよ」
「ここは、チャーチストリートの入り口だ。チャーチストリートのどこへ行くんだ」
「私はここに住んでいるから、あんたに用はないよ」
「俺はここに50年住んでいる」
やしの実売りが面白そうに笑っている。
やしの実ジュースを飲み終わり、チャーチストリートを歩き出す。
リクシャードライバーBは、もう、追いかけてこない。

リクシャードライバーAには、悪かったろうか。何時間も町中走りまわったのに、私は1ルピーも払わなかった。
私にとって100ルピー払うくらいは、なんでもないことだけど、悪いクセをつけると、他の外国人旅行者が迷惑する。
インド人、特にリクシャードライバーは、アジア人の女一人旅と見ると、なめてかかる。自分のいいなりになると思っている。
本当にリクシャードライバーには苦労する。
日本人でも、男性旅行者なら、こんなに苦労しないんだろうなあ。

リクシャードライバーとの闘いは続く...。

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1件のコメント

  • 退会ユーザ @*******
    07/08/05 09:09

    オートリキシャ。素朴な疑問です

    月姫さんへ

    レポートありがとうございます。最新の4まで読ませていただきました。素朴な疑問です。
    オートリキシャは交渉で乗るものです。
    明日はどこへ行こうか決めてあるのでしょう。でしたら前日に泊まったホテルで、~まで幾らだと尋ねないのですか ?

    途中でもいいですよ。オートリキシャから降りてきたばかりの人をつかまえて同じく尋ねればいいわけです。
    極貧の人は使いません。お財布にゆとりのある人しか乗りません。そうした階層の人は嘘を言わないものです。

    それから、流し読みで御免なさい。ドライバー以外のインド人が乗りこんできたのでしたか。( 違ってました ? )
    タクシーでもそうですが、見知らぬ者は絶対に乗せない。契約で借り切っているわけですから、強く言えます。

    それから、この1編について。
    ドライバーに「いいホテル、知らない ?」と声をかけた段階でもう、尋ねる相手を間違えていますね。
    そんなことすれば、カモネギで敵の思うつぼではありませんか。1ルピーも払わなかったのは立派ですが
    こちらからホテルを尋ねて、あちこち行かせた。連れていってやると言われたけれど、言いだしは月姫さんでしょ ?
    だったら走行したぶんだけは支払うのは当たり前です。
    もし、逆に強引にキャッチされて、連れ回されたのなら支払う必要はまったくありません。

    事前に知っておいて、流しのオートリキシャをつかまえて、行き先、Rs20 ! と言えば取りたてて問題は起きません。
    値段を言うときに、数字をヒンディー語で言ったほうが効果があります。
    交渉する際に、相場も知らずに「 How much ? 」と聞くのは最悪です。

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    07/08/07 19:11

    そうなんですか。

    「オートリキシャは交渉で乗るもの」?そうなんですか?
    ときどき、メーターで走ってくれるリクシャーがいるものですから、「また、メーターで行ってくれるかも」と期待して、私はメーターで行かせようとします。
    交渉のときは、何台かリクシャーを止め、「これくらいが最低か」といったところで手をうちます。
    メーターならいくら、プリペイドならいくら、と大体わかっていますので、ぼられません。

    見知らぬ人が乗ってきたわけではなく、その人と話をして、その人が乗れと言ったリクシャーに乗ったわけです。
    まさか、その人も一緒に行くとは思っていませんでした。

    ガイドブックに、リクシャーに連れて行ってもらう手もある、とあったので、リクシャーなら、なんでも知っているだろうと思ったわけです。
    「チャーチストリートに行って」と言った時点で、チャーチストリートへ行ってくれていたら、ホテルが見つからなかったとしても、お金を払ってました。
    でも、行けというところへ行かずに、みやげ物屋へ連れて行こうしました。
    契約破りはあっちからです。
    お金は払うべきではないと思いました。

    メーターで行ってくれる良心的なリクシャーがいるので、やはり、交渉より、メーターを要求します。近距離のときはしかたがありませんが。
    バンガロールでは、外国人旅行者がめったにいないので、リクシャーも観光客ずれしてないのではないでしょうか。
    たまに、メーターで行ってくれ、おつりも1ルピーまで返してくれるリクシャードライバーがいます。

    南インドでは、ヒンドゥー語は使いません。
    それぞれの土地の言葉を使います。

    インドは初めてで、右往左往してますが、私が会った中で一番個性的で面白いと思ったのが、リクシャードライバーたちです。
    向こうも「外国人ってとんでもない連中だ」と思っているかもしれません。
    ネタがあれば、書いていきますので、是非読んでください。