私は、東南アジアを旅行中、傘を持ち歩いたことがない。傘を差したこともない。大体、傘なんか売っていない。
バリ島では、雨季に、午後からスコールが降るので、傘を買って使ったこともある。
タイの首都バンコクでも、傘なんか差さない。雨が降り出すと、みんな、店の軒下などに避難して、雨がやむのを待つ。30分から1時間で、降りやむ。
みんな、じっと、雨を見つめ、立っている。
マレーシアの首都クアラルンプールでも、同じだ。鉄道で駅まで来たのに、雨が降り出し、屋根の下で、雨がやむのを待つことがよくあった。
誰も急がない。そのうち、やむからだ。
インドネシアの首都ジャカルタでも、同じだ。人々は、屋根のある所に避難し、じっと立って、雨がやむのを待つ。
日本人は、気が短いんだろう。あちらでは、30分か1時間でやむのがわかっているからか、急いだりせず、雨がやむのを待つのだ。
2013年か14年だった。マレーシアの首都クアラルンプールの安宿に滞在中、連日、雷鳴がとどろいたことがある。ドッカーン!ゴロゴロゴロ………ドッサーン!
「空襲か?ミサイル攻撃でもあったのか?」私は、窓の外を見た。稲妻が走っていただけだった。よく考えると、マレーシアの北はタイ、ミャンマー。南はシンガポール、インドネシア。西はアンダマン海。東はタイだ。マレーシアを攻撃しそうな国は、ない。
日本も、こういう場所にあったらいいのに。