レポート

美しいマルケ州とミラノからロマネスク遠足に行ってきました。

公開日 : 2017年12月06日
最終更新 :

11月20日から8泊10日でマルケ州のアスコリ・ピチェーノ、アンコーナ、アンコーナからレカナーティ、ロレート、ミラノからパヴィア、ピアチェンツァと旅行して来ました。
Sabinaさん、旅行前は色々とありがとうございました。

Sabinaさんが時々おすすめしてらっしゃいますが、マルケ州は本当によかったです。私もこれからオススメ隊の一員になろうと思います!
山あり海あり、変化に富んだ美しい景色が楽しめますし、食事も美味しくて高くない。
これから行く人がどのくらいいるかは心許ないですが、とりとめのない感想に何かお役に立つことがあれば嬉しいです。

ローマからアスコリ・ピチェーノへ
ティブルティーナ駅前のバスターミナルからstart社のバスで3時間半ほど。アペニン山脈を越えて行く道中、山頂は冠雪麓は黄葉と美しい景色が楽しめました。
トイレ休憩はありませんでした。
Sabinaさんが書いてらした通りで、このバスは直通のような顔をして実は直通ではなく、サン・ジョバンニというところで乗り換えが必要でした。
廃業したガソリンスタンドといったところでアスコリ・ピチェーノに行く人は降りるよう指示され、心細く待っていると8人乗りほどの車(バスとは言い難い)がやって来て、アスコリ・ピチェーノ駅に到着。
駅から旧市街は近く、歩くにつれ中世の塔が見えたりしてワクワクしました。
川に囲まれた旧市街からは遠くに雪をかぶった山が見え、お天気に恵まれたこともあって鄙には稀な洗練された美女といった街だなぁと。

アスコリ・ピチェーノといえば美しい中世の街並みに広場にそしてクリヴェッリ!
ドゥオーモで美しい祭壇画を独り占めで見て、市立美術館で悲しいほど傷んだ祭壇画を見て、
しかしお目当の司教美術館は開いてませんでした!
Sabinaさんも調べてくださったし、扉には「火曜〜日曜、10:00-13:00」と張り紙がしてあるのに開いてない。そんなご無体なと扉を押したり引いたり叩いたり〜無駄でした。
(私はイタリアにあっては閉じている扉は押す引く叩くを習慣にしています)
諦めきれずにインフォメーションでいつ開いてるか尋ねると「もう1年以上閉まってる。いつ開くかは”のんろそ”(わからない)」
だそうです。
市立美術館は私しか来館者がいなくて、私のために明かりをつけドアを開け・・としていただいて恐縮でした。こんな時って早すぎず遅すぎず適度な滞在時間はどのくらいなんだろうと落ち着きません。


この街名物のオリーヴェ・アスコラーネ(大粒のオリーブの種を抜いてそこにひき肉の詰め物をしてフライにしてある)は美味しかったです〜。飲む人にはたまらないんじゃないでしょうか。
水曜日と土曜日には広場で市がたちます。その中のローマ広場に出るマッテオのポルケッタ(豚の丸焼き)とそのパニーノはとても気に入りました。お客さんが引きも切らずで、その中のおばさんに「おいしそうね」と言うと「違う、とってもおいしい!」。ローマの某有名ポルケッタ屋より美味しいと思いました。曜日ごとに店を出す町が決まっているので予定表を思わず写真に記録してしまいました。

泊まったB&Bは快適でしたし、ご主人が「司教美術館が開いたらまたアスコリ・ピチェーノへおいで」とメッセージをくださったし、また行きたいところになりました。

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8件のコメント

  • ミラノでBABBIを買いました

    ミラノは初めてでした。ミラノ中央駅はかっこいいですね。
    マルケ州をのんびり旅行した後では人の多さときらびやかさに酔いそうでした。あちらこちらでクリスマスイルミネーションが始まって華やかでした。

    土曜日の午後到着してその日はブレラ絵画館へ。一番見たかったクリヴェッリの作品の部屋で長く過ごしました。
    王宮で開催されているカラヴァッジョ展は帰国日の朝一番9:30の予約を取りました。30分前に偵察に行くと予約なしの案内にはもう行列ができ始めていました。
    10分前に改めて行くと行列はさらに長くなっていました。
    私は予約有りの列の5番目で入館でしたが、前の人がそれぞれオーディオガイドを借りるのに手間取っている隙に先へ進んだので、ほぼ全作品を私一人でのんびりと眺めることができました。幸せすぎる。

    もうずっと以前になりますが「イタリアのどこかでBABBI(お菓子のメーカーです)」を買えるかというトピがありました。
    私もBABBIのウエハースは大好きで、でも日本で買うとあんまりなお値段なので、イタリアに行くとキョロキョロと探してます。が、あまり見かけないのですね・・
    今回はミラノで探そうと思っていたら、日頃から敬愛する西のグルメ番長(仮名)から「ミラノのリナシェンテで買える」とありがたい情報。
    リナシェンテの7階、チョコレート専門コーナー(チョコで作った靴なんぞ飾ってあった)ではなくセルフで買い物できるフードマーケットコーナーにありました。
    BABBINOやVIENEZI、缶入りのウエハースなど種類も多かったです。
    またここにはシチリアのPIANOGRILLOのオリーブオイルもありましてお買い上げ。

    イータリーではBABBIのチョコレートクリームやピスタチオクリームくらいしか置いてないことが多いです。
    ミラノのイータリーで半日過ごしました。まず昼食にパスタを食べてから店内を細かく物色、ジェラートを食べて今度は買い物としていると時間はすぐに過ぎて行きます〜。
    イータリーの2階にあるパスタやピッツァを食べられるコーナーは一人で食事をするのが苦手な方にもオススメだと思います。カウンターに座って料理人の動きを見ていると間が持ちますしパスタ一皿でも問題ありません。自動的にパンをくれる(有料)があれは断ってもいいんだろうか?(私は美味しいので食べる派)

    リナシェンテでもイータリーでも重かったりかさばるものを買いました。リナシェンテはしっかりした紙袋を二重にしてもたせてくれました。イータリーは薄いビニール袋(有料)なので重い買い物の予定がある方は袋のご用意を。私は布のショッピングバッグを1.9ユーロで購入しました。次回はこれを持って行こう。
    イータリーではお土産に大きなパネトーネも買いました。
    普段はここで何を売ってるんだ?と言いたくなるくらいスペースを大きくとって売っていました。種類がとても多いのに、包装済みで見本品もないので選ぶのに困りました。わかっていたことですが持ち帰るのにはもっと困りました。(悔いはない)

    今回は時間がなくてグルメ番長ご愛顧のペックに行っていないのが心残りです。次回は必ず行ってみますね。

    趣味に走り偏見に満ちたレポートもこれで終了です。
    長々と続けてしまいましたが、ほんの少し誰かのお役に立てれば嬉しいです。
    最後にもう一度書きますと、マルケ州は良かったです。私は次にマルケ州に行くときは「未練のレカナーティ」「本丸のウルビーノ」「気になるフェルモ」かなと思っています。

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    退会ユーザ @*******
    17/12/09 23:14

    書き忘れマルケ州情報付け足し

    だらだらと大変すみません。でもマルケ州を気に入っていただけたことがとてもうれしくて、エンドレスレスになってしまいます。

    今更なのですが、マルケ州公式観光サイトです。でももうご存じだと思います。
    http://italy-marche.info/index.html

    ウルビーノはもちろんのこと、すぐ近くのウルバーニアや、ロレートから近いオージモ、マチェラータもいいですよ。まだ行ってないのですが、トーレンティーノTolentinoも次行くリストに入っています。(Trento, Trentinoと紛らわしいので上のようなカタカナ表記にしました。)
    海岸線もとてもきれいです。「アドリア海側はつまらないかと」なんて言わせません。

    ご覧の皆様も、海あり山ありのマルケ州へ是非行ってみて下さい。トスカーナばかりが中部イタリアではありません。ローマから直通バスで行けるところもあります。

  • ピアチェンツァにモザイク遠足とトレニタリアにしてやられた話

    月曜日の午前中はピアチェンツァへモザイクを見に出かけました。
    ピアチェンツァはミラノのあるロンバルディア州ではなくエミリア・ロマーニャ州にあるのですが、ミラノから電車で1時間といったところです。
    この日の午後はミラノで食品の買い物と決めていたので、見たい順に二つだけに絞ることにしました。どちらも駅から近くて好都合です。

    サン・サヴィーノ教会は外見はあっさりしたバロックというか(よくわかってない)現代風な感じなのですが、中に入ると一気に中世まで時間を遡ったような気持ちになります。柱頭の装飾もロマネスクらしさがあります。床には白と黒の帯状のモザイクが一面に施されていて、その白黒の帯のところどころに魚がモザイクで描かれていて楽しい。私がこの教会に通う子供だったらお説教の間はずーっとこの魚を見ながら空想遊びをしそうです。
    そして祭壇の下に広がるクリプタがとても良いのです。
    広い階段を降りると自動的に照明が灯され(ありがたいっ)、クリプタの床に描かれた白黒のモザイクが浮かび上がります。このモザイクが「すっごいかわいい」。
    写真を付けられないのが残念です。
    白黒の帯のモザイクの中に10個の円があって、その中に月の名前とその月の星座を表現したモザイク画が描かれています。二つ足りませんけど。
    この空間とモザイク画の魅力を表現するのは私には無理なので後日4トラで旅行記を作ろう・・・

    サン・サヴィーノ教会から5分も歩くとピアチェンツァのドゥオーモに到着。
    このドゥオーモは正面から見ると白くあっさりした作りですが後ろに回ると美しい茶色のレンガで複雑に組み合わされた小さな塔や鐘楼が威容を誇っています。
    あっさりした正面のファサードには、受胎告知やご訪問、マギの礼拝にご誕生、エジプトへの逃避や悪魔の誘惑など聖書に出てくるシーンが脱力系の浮き彫りで表現されていて楽しい。ずっと見上げていると首や肩がえらく痛むのは年齢のせい・・

    ピアチェンツァにはとても満足したのですが、この日のトレニタリア(イタリアの鉄道)は全くいただけませんでした。
    朝、中央駅に行って電光掲示板を見ると遅れが多発していました。一番ひどい列車は150分遅れ。
    ミラノ中央駅からピアチェンツァに行く直通の普通列車は案外少なく、ICやフレッチャなど別料金が必要な列車は多い。(私は精神衛生のために列車の乗り換えは極力避けています)。
    私として乗車1時間のこと、普通列車(6.7ユーロ)で十分です。
    その朝私が乗りたい列車は乗車ホームが予定発車時刻にやっと発表され、ゲート近くで待っていた大勢の人と急ぎ足でホームへ。15分遅れで出発したものの順調に遅れを増やし40分遅れでピアチェンツァに到着。

    帰りの列車はちょうど直通の普通列車がない時間で1時間以上待つ必要がありました。
    ちゃんとお昼ご飯を食べるには時間が足りないかな・・
    30分後のIC(11ユーロ)を奮発しようと自動券売機を操作すると途中で「この電車は今10分遅れなんだけどいいですか?」とメッセージが。いいわけないだろう、もっと遅れるくせに。
    20分後のフレッチャなら遅れはなくて15ユーロ。ミラノに早く戻ることを優先して歯噛みしながらフレッチャの切符を買いました。
    普通列車の倍以上払っただけあって40分ほどで定刻にミラノに到着しましたけど・・
    なんだかトレニタリアはダイヤ組みや遅延をわざとやってるんじゃないかと疑ってしまいました。
    半端ない「してやられた」感。うぐぐ・・

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    退会ユーザ @*******
    17/12/09 21:49

    フレッチェのためならその他の列車は待機です

    cokemomoさま、またまたこんばんは。

    トレニタリアには私もよくしてやられます。
    フレッチェの遅れを最小限にするために、途中でRV,Rの類はわざわざ待機させられます。それまで順調に走っていたのに途中停まらない駅になぜか待機で、横をフレッチェがすり抜けていく・・という経験よくあります。
    幹線なら仕方なく赤矢に乗るのですが、私が良く行くところは赤矢が走っていないところが多くて、白矢だけだからRVと時間的に殆ど変わらないので、わざわざ追加料金払う気がしないのです。
    しかし待機で遅れて到着だとやっぱり矢に乗れば良かった~と後悔します。
    わざとやるほど技能があるとは思えませんが、遅れがかさんでぐちゃぐちゃになって、こういう結果になるのでしょうね。

    いや、それよりも、ピアチェンツァには私はボッティチェッリのトンド(円形画)を見るためファルネーゼ宮まっしぐらだったので、それ以外のものが目に入っていませんでした!!またもや不覚。大聖堂は行ったのですが記憶に残っていないし・・そのサン・サヴィーノ聖堂は全く知りませんでした。またリベンジします。まあここいらなら幹線だし機会はいくらでもありそうです。

    ミラノでパネットーネをたくさん買われたとのこと。私はフィレンツェ・シエナ周辺のメーカーのしか知りませんので、おいしかったメーカーをお教え下さい。ミラノが本場だからきっといいところがあると思います。
    ちなみにBABBIのサイトでは、イタリア中の販売店が探せますよ。エミリアロマーニャが本拠地なんですね。
    http://www.babbi.it/babbi_finder

  • ミラノからパヴィアへ日帰り遠足

    日曜日はミラノからパヴィアに出かけました。
    中央駅から電車で30分ほど、日曜でも電車の本数は結構ありました。
    パヴィアで有名なのはおそらく郊外にあるチェルトーザの修道院かと思います。が、あれは写真を見た限りでは「マヌケでかわいい」を愛する私の好みではないので割愛。ロマネスクを楽しむ遠足です。

    パヴィアにはロマネスク建築が多く残っているのですが、午前中に開いている教会3つに絞ってその後昼食、それからヴィスコンテ城(現パヴィア市立博物館美術館ーmuseo の訳は難しい)で開催されているロンゴバルド展に行く。
    本日も鉄壁の計画です。

    パヴィア駅から中心街までは楽に歩ける距離でした。ミラノに比べるとはるかにこじんまりとしてますが、お店も人も多くて過ごしやすそうです。また街のすぐ近くを川が流れ河原を散歩できるのもポイント高し。ま、この日は冷たい強風が吹き荒れそれどころではなかったのですがー。川岸に遊覧船らしきものがあって良い季節ならとても楽しそう。

    まずサン・ミケーレ教会。ロマネスクのファサードが砂岩で出来ているので風化しつつあり、まばらに残るレリーフがいい感じです。聖堂内の主祭壇に古いモザイクがあります。先達の教えで主祭壇にあがる段には柵があって入れないと知っていましたが、たまたまミサの準備中で柵が開いていて教会の関係者さんが上がらせてくださいました。
    一部しか残ってないけど、これがもうたまらない可愛さで!派手にお礼を述べ、さらに灯明代を献金箱に入れました。
    もう今日1日が終わった気分でした。
    サン・テオドロ教会
    ここには街の歴史(フランス群が攻めてきたとか)を描いたフレスコ画や、街の守護聖人聖アネーゼと聖テオドロの生涯を描いたフレスコ画が楽しめます、さらに床の一部がガラス張りになっていて地下にある古いモザイクを少し見ることができました。
    サン・ピエトロ・イン・チエルドオーロ教会も小さいけれどファサードのレリーフが楽しかったです。

    のんびり昼食を食べてロンゴバルド展がある市立美術館へ
    ここまで私としては幸運すぎ順調すぎる1日です。
    この美術館はいつもガラガラと先達の方に聞いていたのですが、なんたることかロンゴバルド展の切符売り場には長蛇の列ができていました。風が吹き込む回廊にできた行列に並びましたが妙な事に列が一向に進みません。
    列は予約のあるなしで2つあるのですが当然予約の方が優先です。予約しておけばよかったと今更気付いてもどうなるものでなし。
    私の後ろのグループの一人が偵察から戻って「切符売り場のお姉ちゃんはパニーノ食べてた、前の人ももう1時間並んでる」多分そんな事を話すのが聞こえました。う~え~、、
    小一時間並びましたが冷えるしお手洗いには行きたくなるしで悲しくなります。
    いい考えが浮かびました。
    「ロンゴバルド展はやってない事にしよう!」
    やってないのですから並ぶことはありません。列を離れてバールに飛び込んでミラノに戻りました。

    ミラノで開催されているカラヴァッジョ展は予約がないと長蛇の列で長く待つなどと情報をもらっていたので、ちゃんと予約を入れてチケットを買っておいたのですが、まさかロンゴバルド展でも予約があったほうが良いとは。
    予約に縛られるのは面倒でも、旅行先での時間は貴重なのでこれからは予約できるものはしたほうがいいかもと思ったことでした。
    (でも・・日本での若冲展や京都国立博物館の国宝展のように平気で3時間も4時間も待たせるよりずっといいシステムだと思います)

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    17/12/08 22:02

    知りませんでしたああ~

    cokemomoさま、再度お邪魔します。

    ついドイツ語風にランゴバルデンと呼んでしまうのですが、そんな展覧会が開催中だったのですか?!全く知らなかったので本当に残念無念です。
    これがフランク族とかブルグント族とかなら、ふーん、まいっかーで片付けるのですが、ロンゴバルド族なら見てみたいのに、ものすごーくくやしいです。
    なになに、6月から12月上旬まではパヴィアで、12月下旬から3月まではナポリで、その後サンクトペテルブルクで開催とな。8月に開催してくれればイタリアまで見に行くのに・・。
    この博物館やベネヴェントやチヴィダーレ・デル・フリウリなどで見たものも恐らく含まれているとは思いますが、規模が違いすぎますね・・。

    ところでパヴィアの教会のロマネスクはちょっと私の好みではありませんでした。どうも北のロマネスクは苦手なのです。同じロンゴバルドでもベネヴェントのは南方化していました。
    ということで私はチェルトーザ・ディ・パヴィアにルドヴィーコ・イル・モーロの墓を見に行ったのでした。シトー系のくせに豪華な修道院でした。

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  • ロレート、不信と後悔のバス停・・・

    イタリアのバスは難しいという話です。

    先ほどレカナーティからアンコーナ行きのバスに乗って降車したバス停(Aとする)。ここから3時のバスに乗るつもり。バス停のすぐ後ろにあるタバッキ兼バールに入って、ふと「ロレート行きのバス停はこれよね?」と尋ねるとバール兄ちゃんが「違う。あっちだ」とここから脇道に入ったあたりを指す。脇道のバス停をBとする。
    そんなはずないが???と、また別の人に尋ねると私が降りた方のバス停Aを教えてくれた。
    2対1、何よりも私にはAでアンコーナ行きのバス停を降りたという揺るぎない実績がある!3時前からバス停Aで待機していたら目の前に忽然とバスが現れ去って行った・・驚く私に近くにいた暇オヤジが「アンコーナ行きだよ。バス停はあっち」とBを示す。

    次のバスは4時。バス停Bの後ろのインテリアショップの人に尋ねると「多分ここだよ」斜め後ろの花屋のシニョーラは「バス停はここよ」。
    どうして私はさっきバス停Aで降りたんだろう?運転手さんが脇道に入るのを面倒がったとか?そんなはずないけどイタリアだからな・・
    4時前からバス停Bにいた私の目の前で、バス停Aを通り過ぎたアンコーナ行きのバスが加速して行くのが見えました。

    私は本当に何が何だかわからなくなりました〜〜・・我をはってバス停Aで待てばバスはBに止まり、素直にBで待てばAに止まるバス。これは聖なる家を軽くみた不信の徒への天罰なのでしょうか。
    次のバスは5時です。時節柄薄暗くなってきます。いいトシをして泣きたくなります。
    郵便配達の人が通りかかったので「町の事情に詳しいはずだ」と思い尋ねることに。私はカタコトをゆっくりと喋るだけなので、面倒だと逃げられては大変ですから袖をぐわしと掴んで「とてもとてもバスを待っている。どうしてバスは来ない?3時のバスも4時のバスも行っちゃった。私はどうすればいい?」
    ・・おばさんに袖を掴まれ泣きそうな形相で怪しいイタリア語で迫られた郵便配達人は気の毒であったが、彼はどうやら正解らしきものを教えてくれました。

    曰くーー3時のバスはバス停B、4時のバスはバス停Aに来る。だからここにいれば5時のバスは来るよ。
    マジかっ!?!?
    そのような注意書きなんてどこにもないのに?どうやってバスに乗る人はその仕組みを知るっていうの?これはロレートの常識なの?
    というようなことをイタリア語にする能力はないので、「本当ね、5時のバスはここね」と念をおして彼を解放した。
    しかし私は不信の徒、最初に尋ねたバールのお兄ちゃんにも確認することにしました。ノート片手に聞くとやはり郵便配達人と同じ答えでした。

    ・・・最初に彼のいう通りにしていれば3時のバスに乗れて、私はもう今頃ホテルでダラダラしてたんだなぁと思うと後悔後悔。
    日暮れて寒くもなった中、改めてバス停Bに戻ります。そうすると別のバスが止まっていてここで折り返し運転をするらしい。乗りたいバスではないけれど念のためにアンコーナに行くか尋ねると「カブール広場が終点だよ」と。おぉ、5時のバスを待たずにすむ=3
    でも「アンコーナのカブール広場だよね」とさらに念を押しました。イエス様の傷に指をグリグリ突っ込んだトマスも褒めてくれる用心深さです。
    運転手さんが「5時のバスを待ってもいいけど寒いだろう。バスは暖かいよ。まずポルト・レカナーティに出て海沿いを走って、また山の中に行って、そしてカブール広場だ」とルートを教えてくれました。往路と違う道なのは楽しそうです。
    買っておいた切符で乗れました。

    というわけで無事にアンコーナに戻りましたが、5時のバスがちゃんとバス停Bに止まったかどうかは確認していないのです。
    今では笑えるお気に入りの出来事になりました。が、そもそも最初に尋ねた時にバールのお兄ちゃんに「でも私はさっきロレート行きのバスをここで降りたのよ。」とでも言って事情を聞き出す語学力があれば、こんなことには・・・

    恥を忍んで(今更?)書きますが、実はロレートから20分も歩けば鉄道のロレート駅に出られます。そこから電車に乗れば20分でアンコーナ駅に着く、そして電車の本数はバスより多いです。
    これ、事前に検討したことがあったのにどうしてあの場でチラリとも思い出さなかったのか〜〜。

    どうも失敗続きの遠足でした。

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    退会ユーザ @*******
    17/12/08 01:58

    嗚呼、いかにもイタリアな話です

    読みながら大受けしましたし、あるある~とものすごくうなずいておりました。
    イタリアの地方を周遊する人ならば誰しも何度となく見舞われる事態ではないでしょうか。
    それにしてもバスが停まる場所が毎時変わるとは誰が予測できるでしょうかっ?!
    新たにイタリア信じられない話トピを立てなくても、もうここで十分なネタを拝見できました。はああ~、これだからイタリアは・・面白すぎです。
    そうでした、鉄道。私も初めは調べたことがあったのについ楽な方を選んでバスで往復したのでした。しかし自分は上手く乗れて良かった・・。

    イタリアを旅していると、他の国よりも待ち時間が何でも異様に多くなりますよね。バスを待つ時間、鉄道を待つ時間、何かの窓口や入り口が開くのを待つ時間・・もう慣れてしまいましたが、何事も機能的にいかないのが困ったものです。

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  • レカナーティとロレート、初めての町は時間配分が難しい

    アンコーナからバスで日帰り遠足に。

    ロレートは、イエスや聖母マリアが暮らしていた家を13世紀頃に天使がエッサホイサとこの地に運んできたとされ、その家(サンタ・カーザ)をまつる大聖堂が建立されました。今も重要な巡礼地とされているそう。
    信仰はないが、この聖堂にはシニョレッリ手がけた天井画があると言うし、各国から寄進された各礼拝堂の装飾にその国らしさがあって面白いという話を見たことがあった。何よりもカラヴァッジョの傑作「ロレートの聖母」のロレートなわけでアンコーナからは行きやすいので一度行ってみたいと思っていました。

    行き方を調べるとアンコーナからロレートへ行くバスの終点がレカナーティ。
    レカナーティにはロレンツォ・ロットの風変わりにして魅力的な「受胎告知」があります。
    そこで朝アンコーナからレカナーティに行き、受胎告知だけ見て戻りのバスに乗ってロレートで下車、ロレート観光の後またバスに乗ってアンコーナに戻るという我ながら完璧な計画を立てました。

    アンコーナのバス発着所はカブール広場。海を背中に広場を突っ切って右側の小屋(新聞などを売るエディーコラ)で切符を買い、左手の小道沿いにバス停がある。
    切符は前日の街歩きの時に抜かりなく3枚購入しておきました。イタリアでは切符を買うのに苦労することがあるので予め買えるものは買っておく・・
    朝9時前にアンコーナ発、レカナーティ10:30着

    レカナーティはロットの「受胎告知」だけ見ればいいと思っていたのに、思ってた以上にとてもいい町だった。丘の上にある薄灰茶色の町で、中世の頃の建物を中心に町並みにゆるい統一感があって生活感や活気もある。のぞいて見たい教会も多く、町の中心の広場にたつ塔は登れると知ったら登りたくなり、感じのいいお店で食事もしたくなり・・要するに「ロレートやめちゃうか」と迷ってきた。
    どうしようどうしようと逡巡しながらウロウロし、でも結局は昼のバスでロレートには行くことにしました。

    レカナーティからロレートまではバスで15分ほど。ロレートの大聖堂は昼休みを取らないのでバスを降りてそのまま聖域に入って大聖堂へ。参道?を進んで行くのだが、11月だからか金曜日だからか時間のせいか、とにかく人が少なくてひっそりしている。お土産屋さんはお昼休みを取るところ多し。
    なんだか巡礼の気配も感じられない?
    立派な大聖堂も聖なる家も信仰を持たない身には、あまりピンと来なかった。1時間ほどで大聖堂を出て「もっとレカナーティにいればよかった!!」となる。なんだかロレートにそれ以上いる気分ではなく、3時から開く美術館もパスしてアンコーナにさっさと戻ることにしました。「失敗したな」と後悔しながらバス停に戻ります。

    好みですが、私はロレートはもう行かなくていいけれど、レカナーティには晴れた日にぜひもう一度行って塔に上りたい、もう一度ロットの絵を見て、散歩して食事をしたいと思ってます。小さな町が好きな方にオススメしたいです。

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    17/12/08 01:48

    レカナーティというとジャコモ・レオパルディの都市ですね

    cokemomoさま、こんばんは

    熱の入った旅のレポート、楽しく拝読しております。
    私はレカナーティは実はまだ行っておりません。ポルト・レカナーティも通っただけなのです。
    でもレポートを拝読して俄然行きたくなりました。次回のマルケ行きの際には絶対寄ります!
    私にとってレカナーティとはイタリア文学のレオパルディの生誕地です。彼の詩は私には難解で何のこっちゃ、なのですが・・。彼の生涯を描いた映画を昨年だったかに見ましたが、ここでロケしたようで、きれいな町並みが印象に残りました。

    (脱線ですが、今頃ですけどイタリア文学の世界に足を踏み入れまして、ダンテの神曲やらペトラルカやらを読んでいます。夏頃にソース野郎に、俗語なんてお前読めるのかよ?と言われたのが頭にきて読み始めたのですが、ダンテの美しい文体や巧妙な押韻にはまってしまいました。
    俗語って、ラテン語に比しての当時のイタリア語のことなのに、そんなことも知らずに非難するなんて、それこそ知ったかぶりだし無教養ですよね。さすがイタリア語の祖トスカーナの言葉、すらすらとは言えないまでもかなり読めます。)

    さてさて、ロットの絵って、ひょっとして猫ちゃんが走っている絵ではないでしょうか。これなら見たい!レカナーティにあることを知りませんでした。行かなくては。

    ロレートは私は気に入ったのですが、それでも信仰心篤い信者向きのところだなと思いました。私も再訪はないと思います。私はこの帰り、すぐ近くのカステルフィダルドという小さな村が気になってバスを降りて1時間ほど歩いてみました。こんなところに来た日本人なんて自分だけだろうなんて思っていたら、後で知ったことですが、アコーディオニストのコバさんがここに留学されていたそうで今は名誉市民でいらっしゃるとか。いやはや、お見それしました失礼しましたという感じです。

  • いつかアドリア海から船で行きたいアンコーナ

    アスコリ・ピチェーノで2泊してアンコーナへ電車で移動します。
    ここで気をつけたいのが、アスコリ・ピチェーノ駅の窓口の営業時間です。
    平日は朝7:45〜12:20と15:15〜18:25だけ開いていて、土日祝日は終日閉まっていると張り紙がありました。自動券売機は2台ありましたが私だったら窓口がちゃんと開いている時間にしか券売機も使いたくないかも・・・

    アンコーナに到着。
    晴れていたのでアドリア海は明るく、気温もアスコリ・ピチェーノより暖かでした。
    港町らしい活気があって、坂道の多い街。
    ギリシャやクロアチア行きの船が停泊していて、旅情がいや増します。
    通り過ぎて行く旅人が多いだろうに、アンコーナ駅には荷物預かりがありませんでした。これはいかん!仮にも州都の駅に荷物預かりがないなんて。

    駅から港や中心地に近いホテルまでタクシーで移動。駅のタクシー乗り場からで言い値で10ユーロ。後日、ホテルから駅に行くためにタクシーを呼んでもらってメーターで乗ったら(来てもらった分があるから)15ユーロ。
    こんなことなら駅のタクシーのおじさんに10ユーロで迎えも頼めばよかったかしら。しかし、日時を忘れずに来てくれるか分からない。
    駅から中心地や港まで歩くには2〜3kmありますが、バスが出ています。

    午後から港を見下ろす丘にあるドゥオーモへ。坂道と階段を上って着いたら開いてない。15時の予定が10分遅れて開きました。好みですがこのドゥオーモは内部より外観とここからの景色がいいと思うので開いてなくてもいいかも。
    晩秋の午後は逆光になるので、街や港の写真がよく取れなくてちょっと残念。
    ドゥオーモは町歩きをしているときはほとんど目に入りませんでしたし、正面は海に向いてます。船でアンコーナにやって来たら白いドゥオーモがよく見えるのかもと思いましたが確かめる術がない。
    (経験がある方がいらっしゃったら教えてくださいませ)

    ロマネスク好みなら港の近くにあるサンタ・マリア・デッラ・ピアッツァ教会がとても楽しめると思います。私が行った木曜の午後は開いてなかったので中は分からないのですが、外観の装飾だけでもマヌケで可愛いものがたくさん見つかります。

    バスターミナルもあるカブール広場ではクリスマスマーケットをするようで、たくさんの小さな小屋が並んでいました。11月25日の土曜日からだそうです。移動観覧車も設置されてました(しかし観覧車はどっしりとがっしりと固定されたものに乗りたい気がする)。これから行く人は楽しめそうで羨ましいです。

    海鮮のリゾットが食べたかったけれど、見て歩いた中ではリゾットを置いているお店は少なかったです。ギリシャからの船が着くせいか、ホテルの朝食にギリシャヨーグルトがあったのは嬉しかったです。

    アンコーナ市立絵画館にはクリヴェッリの聖母子像があるので楽しみにしていました。木曜日は夕方からオープンなので時間を合わせて行きましたら、入館者は私一人だったのか、誰とも会いませんでした。贅沢ではあるが居心地の悪いものでありました・・

    アンコーナからの遠足は長くなるので枝を分けます。痛い目にあったのでしっかりとお伝えしたい!?

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  • 退会ユーザ @*******
    17/12/06 22:12

    マルケ州愛好家が増えて嬉しいです

    cokemomoさま、お帰りなさいませ。

    マルケ州勝手に私設観光促進係としては大変うれしいご報告です。ありがとうございます。
    シチリアやプーリアなら宣伝しなくても行く人は多いし宣伝する人もいるでしょうけど、マルケはいまいち地味で多少不便なので、折に触れて宣伝しているのです。
    これをお読みの皆様も是非マルケ州をご訪問ください。

    アスコリ・ピチェーノを気に入っていただけてこれまた有難いことです。山の麓の静かな美しい小都市といったところで、私もたいそう気に入っています。今の季節は寒くなかったでしょうか。
    あのコロッケみたいなオリーヴェ・アスコラーネはおつまみに最適で、また食べたいです。
    マルケ州はポレンタさえなければ(くどい・・)食事はどれもおいしいのですが、ワインが実はいまひとつでして、ロッソ・ピチェーノとかロッソ・コーネロとか色々有名なものを試してはいますが、これはっ?!というものがありません。代わりにコッレージという地ビールが素晴らしいのでよく飲みます。

    アスコリの司教区博物館(美術館)は閉館中だったのですか。例のがくっとくる「のんろそ」ですね。
    むむ、ちょっと読めて来ました・・。旅クマさんも入れなかったのはモンドヴィの司教館。そして実は私も前から見たいと思い続けているシチリアはエンナの司教博物館(ムゼオ・アレッシとかいうそうですが)は何年もずーーーっと閉館中で、外から見たら草が生い茂っている状態です。
    推測するに、市立や州立など公共の管理下の美術館の類なら一応はオラリオ通り開閉しているのに、司教区博物館の類は管轄が司教座だから、司教猊下か司教庁のさじ加減次第なのではないでしょうか。
    だからこの類のは、開いてたらラッキーぐらいに思って行かないといけませんね。
    ああ来年のカラブリア旅行のことを考えると頭が痛いです。きっとまたこの種のことに出くわすでしょう・・。

    次はぜひウルビーノにも行ってみて下さいませ。ご縁のあるところなので、実はフィレンツェとヴェネツィアの次に訪問回数が多いのです。

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  • 扉を押したり引いたり叩いたり

    cokemomoさん、Buona seraだっけ?Buenas tardes.
    やっぱり、Holaって言いたくて言いたくて、どうにかなりそうな気がしましたよ。

    それはさておき、cokemomoさんも「やられ」ましたか==33
    わたしもMondoviのSala de Vescovadoの隙間だらけで、やたら重い、中世っぽい扉を、ガンガン叩いたり、押したり、引っ張ったりしたんですが、どうにも開かず、すぐ傍のCatedralへ行ったら、「それはね、4-10月の事だよ。こんな時期は締まっているものだよ」と、諭すように言われたのが、癪で癪て溜まりません。

    これが、【イタリアの洗礼】というものですね。

    引き続き、ロマネスク報告を、楽しみにしております。

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    開かないんですよねぇ。

    旅クマさん、こんばんは。コメントをありがとうございます。

    旅クマさんも押したり引いたり叩いたりされるんですね!私だけでなくてよかった・・・
    ピエモンテも11月はやっぱりオフシーズンなんですね。

    司教美術館はほぼ毎日午前中開いているという情報とは別に「土日だけ」と言う話も聞こえていたので、開かない扉を前に「やっぱり」とも思ったのですがーーそれでも何とかならんかと思ってしまいました。一年以上開けてないとは恐れ入りました。
    でもここはドゥオーモと市立美術館の間にあって、わざわざタクシーを呼んで訪れたわけではないので傷は浅くすみました。

    ただ、大都市の超有名美術館と違って地方の美術館は閑散としていることが多い気がします。アスコリ・ピチェーノもそうでしたがアンコーナの市立絵画館も私が入った時間には私しかいませんでした。レカナーティでも見学者は二人とか・・そうなると「開けてられるかよ、ふん!」なのも分からないではないのですが〜〜。
    しかしやはり扉は押して引いて叩いてみなくては。
    「求めよ、さらば与えられることもなくはない」イタリアだなぁと思うようになりましたです。

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