20/03/04 17:47

冷静でいたいもの

朝日で報道された、電池発明者Conte Alessandro Giuseppe Antonio Anastasio Voltaにちなんで設立(命名?)されたLiceo Scientifico Statale "A. Volta"に校長の言葉は感動的です。
www.liceovolta.it
Lettera agli studenti - 25 febbraio 2020
Le parole appena citate sono quelle che aprono il capitolo 31 dei Promessi sposi, で始まり、17世紀にイタリア北部を襲ったペストのさいのManzoniの小説を引き合いに出し、quello che voglio però dirvi è di mantenere il sangue freddo, di non lasciarvi trascinare dal delirio collettivo, di continuare - con le dovute precauzioni - a fare una vita normale.から始まる一連の言葉。特に、普通の暮らしをしなさい。良い本を沢山読んで、家に籠もらず外に出て歩きなさい、 スーパーマーケットや薬屋に殺到して物を買い占めないこと、マスクは必要なく、それを必要としている人のために残しておくこと。圧巻は、敵はゆっくりと侵入してくるが、最大の敵は他人や他国人を恐れ仲間を敵とすることで、流言飛語に惑わされず冷静に行動せよ。まさに、このサイトに限らず、日本人いや世界人共通に言えることでしょう。

www.washingtonpost.comがわりと分かり易く書いています。How does it spread?の下のグラフは、中国では頭打ちなにに対し、他国では指数関数的上昇。ここでも、無症状感染者が他人にうつすかという点を述べています。What about children?もやはり、効果は懐疑的で、少なくとも日本では重症化を如何に阻止するかに金と人材を注がねばならない時期にきていると思います。Do I need to wear a mask?は日本人は自覚すべきでしょう。

昨日のWHO事務局長の記者会見でも言っていたように、感染しても無症状の人は拡げない(症状が出れば感染させる側)というのが最近の見方のようです。この点で、専門家会議が最近言っている、”症状の出ない若者が感染拡大している”と言う説には違和感を覚えます。閉鎖空間が感染拡大の要因だなんて、インフルエンザでは大昔からわかっていたことだし。

なお、昨日、喘息緩和薬であるステロイドが、抗HIV薬が効かなかった重症患者に効いて、しかもウイルス陰性になったとの報道がありましたが、SARSもMARSでも喘息発作を止めるステロイドは、免疫抑制剤なので効果はなく、むしろ害のほうが強いので使うなと言われていたもの。所謂、サイトカインストームになるという症例が今回のウイルスでもあると言っている人も居るのですが、それなら若年者に多く見られる筈です。あり得るとすれば、合併症で、ウイルスは排除されたのだが、免疫系の暴走が止まらないだけ。個人的には、HIVウイルスとコロナウイルスとではプロテアーゼが別物なので、タミフルは多分ガセネタでしょうが、HIVプロテアーゼ阻害剤も効かないと思っています。

韓国はもちろん、2003年のSARSを体験した国ではウイルス検査がきちんとできる体制が構築されていたようです。迅速かつ広範囲の検査の結果が韓国の感染者数で、数を少なくみせようという何処かの国のような姑息な手段をとらないことは評価すべきでしょう。また、新型インフルエンザ等対策特別措置法が今回のウイルスに適応できない理由は、新感染症法をいくら読んでも理解不能です(現行法で十分)。

SARSが早く終息してしまったので、薬やワクチン開発が進まなかった。そもそも、エボラにせよ、先進国で年中発生しないような感染症に対しては医薬メーカーは開発には積極的ににはならず、と言うか輿論を気にしてやるようなそぶりを見せるだけで、開発はされないでしょう。ここに製薬メーカーが営利を追求するものである点が足枷となるのです。日本なら政府が金を出して、大学や非営的研究機関に直ぐにでも解明すべき課題をやらせるほうが即効性があると思います。

  • いいね! 0
  • コメント 1件

1件のコメント

  • Re: 冷静でいたいもの

    JORGEさん、こんにちは。

    今回の騒動は、これだけネットの世界になって、情報量が飛躍的に増えても、何が正しいのかよく分からない、と言う点では、いい勉強になると思います。

    2009年の新型インフルの時は、会社で「インフルで休む。」と同僚から電話がかかってきても、「新型ですか、旧型ですか?」「新型だそうだ。・・・」くらいの余裕(?)があったのですが、今回はそんな余裕もないです。死亡率とかを冷静に見ると、案外、新型インフルくらいの対応でいいのではないか、という気がしないでもないですが・・・。

    特別措置法の話をすると、私は法学部卒業ではないのですが、法律や契約書の文言に「等」が入っている有難さ(怖さもありますが)は身にしみて感じているのですが、例の法律は民主党政権時代に成立し、自民党は賛成しなかった、という経緯があるらしく、「自民党が作った(賛成した)」法律に仕立てたい、という説に賛成です。が、あの法律はかなり無茶苦茶な法律でもあるので、どういう運用になるんですかね。

    中国発表の数字が落ち着いてきているのが、数少ない救いです。韓国は過去の教訓があるからともかくイタリアの検査体制はあれはすごいですね。日本の場合は、まず、誰が感染してるか正確に分からないと対応のしようがないし、間違った対応にお金をかけてるのでは・・・確かに来週までが山場かも知れませんね。

    • いいね! 0
    • コメント 3件

    きのううちの会社も副社長からの Corona virusについてのメールがきて、

    こまごまと出張のときのはなしや 学校が休校になった場合、 テレコミュートをやらなきゃならん場合などの指示があって最後は

    It is natural that people think about the Corona virus and become concerned about their families, friends and colleagues, that’s what makes us uniquely human.

    だって。

    きのうは Orange County で きょうは LAです。
    https://www.latimes.com/california/story/2020-03-04/los-angeles-county-declares-coronavirus-emergency-6-new-cases

    • いいね! 0
    • コメント 0件