人間の目って、暗闇の中で光るんですね。(ミャンマー・ピイ⇒バガン、夜行バス移動中)

軍事政権時代の話です。

当時、高速道路はなかったので、ヤンゴンからバガンへ向かうバスは、ピイ経由でした。
ヤンゴンを15時くらいに出発し、バガン着は翌朝5時くらい。
ピイからバガンへ直接向かうには、ヤンゴンからのバスに途中乗車する方法しかありませんでした。

ピイに滞在していた私は、ヤンゴンからのバスに途中乗車して、バガンに向かいました。
ピイを出発したのは、21時30分くらいでした。

日付が変わって、時刻は1時。
バスが停まりました。
トイレ休憩かと思いましたが、故障の様です。

停まったのは、とある家の前でした。
どうやら、修理工場の様です。
バスの修理が始まりました。

当時から、ミャンマーの電力事情は悪く、この時も停電していました。
修理は、懐中電灯の下で行われました。

修理を待ってる間、私はぷらぷらしていました。
その日は、新月のようです。
街灯などはなく、闇夜。
足元は、ほとんど見えません。

修理工場の近くに、トラックが3台停まってるのが、分かりました。
その近くに行ってみました。
何気に、トラックの荷台を覗いてみました。

「!」

丸くて白い物が、いっぱい光って見えます。

「何?」

悟りました。

「人間の目です。」

荷台に居たのは、兵士です。
銃を持っていました。

彼らは、こちらを見ていました。
驚いた私は、後ずさりして離れました。

しばらくして、トラックは走り出しました。

今も思い出しますが、異様な光景でしたね。

バスの修理が終わったのは、5時間後。
バガンに到着した時には、くたくたでした。






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