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タイ国鉄様にはいろいろお世話になりました。列車の旅は現地の人が悪口をいうのとは大違いで、大変快適でした。多分、三等車にだけ乗るとなるとエアコンはないわイスは固いわでバスより格が落ちるということでしょう。

さて、バンコクを列車が出発するとたちまち徐行運転。バンコク名物のバラック通りを抜けるのである。線路ぎりぎりで屋台を出している人たちを沢山見ることが出来る。勿論、この徐行で10分は遅れる。

バラック街を過ぎると今度は高架未工区間に入る。かつてバンコクから北に電化高架鉄道を造ろうとした残骸である。現地では遺跡と呼ばれているらしい。勿論、高架は定時運転を考えれば必要であるし、工事を再開すれば良いのだろうが、たぶんそんなお金は無し。

バンコク市街を抜け、郊外に出ると俄然列車速度は上がる。日本の国鉄より幅の狭いメーター軌ではあるが、制限速度は105キロ。平行する道路の自動車といい勝負をしている(ちなみに、タイでクルマは制限速度を一切守らない)。

列車はカエンコイ分岐から新線に入る。途中、巨大な湖をあろうことか迂回もせず真っ直ぐに何度も渡る。なかなか壮大な眺めである。湖を渡り終わると今度は山岳地帯に入り、スピードはがくっと落ちる。トンネルを抜け、峠を過ぎると再び増速。ブアヤイ分岐着。

コンケンを過ぎ、大平原に接する太陽を見る頃、ウドンタニー着。途中、何度か列車の遅れがあったが、結局時間通り着。駅で出迎えてくれる知人を待たせることはなかった。

(続く)

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1件のコメント

  • バイパス線

    >列車はカエンコイ分岐から新線に入る。
    途中、巨大な湖をあろうことか迂回もせず真っ直ぐに何度も渡る。
    なかなか壮大な眺めである。

    あのあたりは列車本数も少なく直線が続くので、制限速度めいっぱい出し快適です。
    ひまわりの季節にはあたり一面に咲き誇り、それはそれは素晴らしい景色です。
    昨年9月にやっと全線完乗したのですが、以前チェンマイやノーンカイへ行ったときに
    夜間のため旧線・新線のどちらを通ったのかわからなくなり、
    その後わざわざ新線→旧線をぐるっと一筆書きで乗りに行ったことがあります。
    ちなみにDRC(気動車列車)の制限速度は105km/hですが、
    機関車牽引の客車列車は重量と安全のため、たしか90kmだったと思います。

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    (3)

    >制限速度めいっぱい出し
    車内はオンボロに見えても、やはり日本製車両は良いということでしょうか。

    さて、ウドンタニーでは大学の宿舎に寝泊まり。翌日は野外実験、翌々日はバンチャンというところまで行って農村部の飲料水の調査。ついでに世界遺産となっている遺跡にも立ちよる。

    ウドン市内の移動はもっぱらソンテウ(乗り合いトラック)である。ソンテウは全て路線番号がついており、目的地によってソンテウを乗り分けることになる。ソンテウ乗り場は路肩が白黄色の縞に塗り分けられているが、厳密にその場所でなくても合図をすれば乗せてくれる。下りるときには車内のブザーを押すと停まり、運転手に8バーツを渡す。これは市内均一料金のようである。

    ウドン最終日、ノンカイまで路線バスで移動。朝9時頃に大学前のバス乗り場でバンコクからの夜行バスに乗る。夜行といっても途中で合図すれば乗せてくれるのである。ウドンからノンカイまでは一人40バーツ。やはりすこぶる安い。

    一時間ほどでノンカイのバスターミナルに到着。とりあえず町をぶらぶらするが、メコン川沿いに長大なアーケード街があり、そこを時間を掛けて通り抜ける。通り抜けるとタイ人専用のイミグレがあり、ラオスに送る荷物が建物の前に山積みになっている。

    ここからは国境の友好橋がよく見えるが、それでも3キロ近く離れているため、イミグレ前にたむろしているサムローをチャーター(3人で60バーツ)。
    友好橋の途中にタイ国鉄東北線の終点、ノンカイ駅があるが、無人駅かと思えるような寂れ方。ウドンの駅の賑やかさとはかけ離れた印象である。駅を過ぎるとまもなく友好橋。橋の途中まで歩いて行くことが出来る。話に聞いたとおり、橋中央に線路が敷いてあるが、ラオス国境と思われる橋の中間地点までしか線路は敷設されていない。橋の下を見おろすと、河水浴場があり、泳いでいる人も見られる。

    再びサムローで町へと戻る。帰りのサムローで100バーツと言われたが60以上は出せないというと、それでOKということに。市場で食事し、バスターミナルへと戻る。

    バスターミナルではなかなかバスが出ない。漸く発車したかと思うと郊外でまた大停車。乗客で一杯になるのを待っているのである。ダイヤなどあって無きが如し。予定より30分ほど遅れてウドンに到着。

    夕方、駅へ向かう前に駅前のショッピングセンターに立ち寄る。地方都市とはいえ、かなりの規模のショッピングセンターである。シネコンやボーリング場も完備している。一通り見て回り、センター内のスーパーで車内で食す夕食を買い込むと、駅へと向かう。

    列車はこれまた時間通りに入線してきた。駅まで見送ってくれた知人にお礼を言うと、列車に乗り込む。今回はウドン19時20分発の夜行である。