こちらの掲示板のおかげで、素晴らしいオーストリア旅行を経験できました。そのことは別トピックスで書きますが、
一点、自分としては初めて体験した差別について、
簡単にご報告したいと思います。
ウィーン最古とガイドブックにあるレストランへ、連れ合いと二人で
出かけた時の事です。
マーク・トゥエインらのサインもあるという由緒あるレストランとの
事で、
ガイドブックには、カジュアルでOKとありましたが、
一応、多少はオシャレして出かけました。
ただし、
気が変わることもあると思い、平日の夜ということもあり、
予約はしませんでした。
レストラン側は、喜んで受け入れてくれましたが、
ところが、
通された部屋は、給仕室の一角で、
出来上がった食事が続々と運び込まれる場所の隅っこだったのです。
とにかく、とても狭い二人椅子でした。
そんなところにテーブルを並べている事自体驚きだったのですが、
他をみると、
空いている場所がたくさんあるのです。
隣の部屋も空いていました。
ただ、予約なしでは入れないのだとおもい、
「予約してないから仕方ないね」と諦めて、
ワインもボトルで注文し、
食事も食べました。
ところが、
後から後から来る欧米人が、全員、別の部屋で食事をして
いるのです。
「みんな予約してるんだね」と話していたのですが、
偶然、私たちと同年代に見えるある欧米人中年カップルが、
「私たちは二人だが、こんな広い席でいいのか?」と尋ねているのを見てしまったのです。
私たちのテーブルを担当していた同じ給仕係は「ノープロブレム」と言って、6人分のテーブルセットがある机を片づけて、
二人用にセッティングし直していたのです。
その後彼らが注文していたのは、コカコーラと料理でした。
私は食事が終わってから、
その給仕係に英語で、「なぜ私たちは、あんな狭いところで食事をしたのか。あなたはアジア人に偏見があるのですか?」と質問しました。
すると給仕係は、なぜか英語がわからないふりをするのです。
半年習ったドイツ語も織り交ぜて抗議していると、
別の女性給仕担当が来て、
笑顔で「ご予約していなかったので、今日はそちらの席が、予約なしで座れる最後の席なのです。申し訳ありません」と、
丁重に説明してくれました。
そこで私は、
近くにいた先ほどの欧米人に、英語で、「あなたは予約して来たのですか?」と尋ねました。
彼らはびっくりして「ノー」と応えました。
彼らの返答を聞き、給仕係をちらっとみると、
彼女は、ばつの悪そうな顔をしていました。
私たちはそのまま、無言で帰りました。
アジア人だから区別されたのか、
それとも、日本人は文句を言わない筈だからと軽く見られたのかどうか
判りませんが、
この事だけは、とても残念な体験でした。