憂いあるこのメロディーはテレビでもよく流れますし、学校で習った方も多いで
しょう。男性が歌うことの多いこの曲、実は女性の立場の曲だってご承知ですか。
「 海へ出たきり戻ってこないあなた、海の妖精の色香に惑わされず、この美しい
ソレントの、私のもとへ戻ってきて 」という内容です。
この曲を初めて歌ったのは“リーナ”という女性で、ソレントに避暑に来ていた
大臣 ザナルデッリ が帰る日に披露されました。滞在していたホテルのオーナーが、
友人でホテルの室内装飾をしていた ジャンバティスタ とその弟 エルネスト の
兄弟に曲を依頼したのは、そのわずか1日前だったとか。
実は「 さびれたこの街に郵便局を作ってほしい 」という下心から生まれたこの曲、
大臣の心に響いたのはもちろん、世界中の人々に愛される名曲になりました。
粋な賄賂?のおかげでソレントの街には郵便局ができただけではなく、風光明媚な
リゾート地として、その名を世界中にとどろかせることになりました。
(以上、銀座の某ビアホールのメモより)