レポート

電子版トーマスクック・ヨーロッパ鉄道時刻表を使ってみた

公開日 : 2012年12月11日
最終更新 :

11月末から12月はじめにかけて冬のドイツ鉄道旅行を楽しんできました。
電子版トーマスクック時刻表が発売されているので、興味本位でiPadにダウンロードして使ってみました。使用アプリはBookliveです。
http://booklive.jp/product/index/title_id/187348/vol_no/001
結論は「こんなもの使いものにならない」で、電子書籍の限界を感じました。

トーマスクック時刻表は、路線図から利用する路線の表の番号を探し、その番号の掲載されているページをみつけて列車時刻を得るものです。紙媒体の場合、ページをパラパラめくって表を探しますが、電子版はこの「パラパラ」に時間がかかり、とても煩わしいのです。2-3ページめくって次のページが画面にでてくるまで数秒かかります。ページを繰るごとに数秒かかっていては「パラパラめくる」ことはできません。操作性は劣悪でイライラします。

ブックリーダーのアプリでは、任意のページに飛ぶことができますが、ページと表の対応がつかないため、一発で表をみつけることは困難です。少なくとも、どのページにどの表が載っているかわかるようなインデックスがなければ使い物になりません。
サムネイル表示が可能ですが、細かすぎてこれまた使いものにはなりません。サムネイルは写真集では有効かもしれませんが、文字がつまった書籍では使い物にならないのではないでしょうか。

旅行前に入手できた時刻表は10月版です。しかしながら12月はじめに冬ダイヤになり、時刻表と実際のダイヤに齟齬がみられることが何件かありました、どうして数ヶ月前に冬ダイヤ版をださないのでしょうかね。DBのWebサイトでは冬ダイヤが反映されているのに。
紙媒体のトーマスクック時刻表が実際と異なっていることは、これまでにもたびたびあったことで、紙媒体の限界と認識されていましたが、電子版でもこの点の問題は残っています。

ついでに書いておきますが、この時期ドイツ南部(Stuttgart-Würzburg以南)は積雪があり、多くの列車が遅れていました。夏よりも遅れは多いようです。冬季の鉄道旅行では夏以上に遅れを考慮する必要があります。

今回は安かった(525円)ので面白半分に電子版時刻表を試してみましたが、結局、電子版時刻表はドイツではほとんど使わず、DBのアプリ(DB Navigator)か駅の自動販売機で列車を調べていました。
現地ではDB Navigator はDBのWebサイトより使いやすいので、ドイツで鉄道を利用する場合はダウンロードしておくことをおすすめします。無料アプリです。
またDBの切符自動販売機は優れもので、無料で列車を調べることができその結果を印刷することができます。

現在では紙媒体の時刻表を使う人は希少で、鉄道会社のWeb検索が主流です。なぜ、このような中途半端のものを作ったのだろうかと不思議です。企画担当者は使ってみたのでしょうか。時刻表や辞書は電子書籍に向かないものだと思います。
電子版時刻表はメリットよりもデメリットがはるかに勝っており、このようなものを買う人はほとんどいないでしょうから、このままでは早々に消えるでしょう。

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