インドとハワイ

ジャネットさん

ずいぶん昔の話ですが ハワイとインドのそれぞれの初訪問の際に感じたことを書いてみます。

どちらもまだまだ日本が世界に遅れていると感じていた40年ほど前にさかのぼります。

ハワイは風も、気候も海も丘もホテルもそこに住む人々(といっても旅行者に接する人たちがほとんどですが)も暖かく、悩みなどまったく無いほどのんびりしているところでした。 ああ確かに楽園みたいな所・・と感じました。 考えてみれば米国本土の人たちの憧れの東洋の入り口、擬似楽園として作り上げられたよく出来た観光地でした。

そこへいくとインドは歴史も古く、またその歴史は古代からの幾多の征服者の文化と土着のエネルギーが何層にも重なり合って出来上がった風土は、まるで透明なカプセルに入って通過していく観光客の目に映る名所古跡風景とはべつに、赤茶けた広がる台地、乾いた畑、たくましく?生きるぼろをまとった人々、物乞いの子供、汚れた家、時には明らかな行き倒れ・・が まるで今で言うサブリミナル効果のように心に侵入してきました。

ここではハワイの観光に特化した風景とは違う、人間の生きることの根源に迫る何かが日常的に具現化している場所・・と いささか青臭い感覚ですが、捕らえられた覚えがあります。

ですから 当時ガイドから聞かされた話では 日本人旅行者の8割は汚さと居心地の悪さに2度と来ないといい、残りの2割のうちの8割はやや野次馬気分でまあ機会があれば・・と。残りの4%がインドの魅力に熱狂的に取り付かれるのだそうです。 

でそのガイドさん(考えて見れば大学の先生?だという現地の方でした)が 「困ったことにその熱狂的なインド信奉者の言動が他の一般的な日本人観光客のインド嫌悪感を増幅しているんです・・」といっていたのを覚えています。

まあ当時のインド旅行者(日本からの)の主流は仏跡巡拝で、これはこれで悪路と乗り継ぎの悪さ、宿のひどさ?などで参加者に十分な難行苦行の旅感を与えることが出来て、それなりの満足を勝ち得ていたようですが。

昔話ですが、今ではどちらもそれほどではなくなってはおりますが、大本は変わっていないのではとあえて年寄りの感想を申し述べさせていただきました。

  • いいね! 0
  • コメント 0件

0件のコメント