では,同様の不正利用を防ぐにはどうすればよいか,また,実際発生したときどうすればいいか。予約サイトやカード会社を調査した結果,下記のことが言えます。
(1) ホテルはできるだけ国内旅行会社の事前払いを利用する。(ただし,これはかなり数が限定される)
(2) 発展途上国の小さなホテルやB&Bは予約サイト経由で予約しない。現地到着後,インフォメなどを通じて予約する(ただし,これには宿が取れないというリスクもある)。
(3) 航空券は航空会社から直接購入する。発展途上国の航空会社の場合,国内代理店から買うのが安全。(ただし,代理店から買った場合,座席指定が遅れる,付帯マイレージが少ない,という問題がある)
(4) ネット不正を補償するカードが一部にあるのでこれを使用。(ただし,これも100%補償ではなく,本人に「使っていない」という実証義務がある。)
(5) 早期発見に努める。カード会社のネットでは利用明細を事前にネットで見ることができる。
(6) 不正利用を見つけたときは直ちにカード会社に電話し,「文書」(これが重要)で経緯を報告する。
(7) 利用された会社(この場合はラン航空)に直接経緯を通告する。早ければ航空券の使用や払い戻しを防止できる。
(8) クレジットカードを長期にわたり利用し,本人の不正や滞納がないという実績も重要。(結局,これが一番有効か)
さらに分かったことは,国内カード会社はVISAなどのカード会社本社の下請けであり,不正利用について直接調査する権限がない。今回もVISA本社に対してどのような通告をしたか不明。また,どこに問題があり,誰が損失を負担したかについても一切情報開示しない。原因が分らない限り,再発防止は不可能である。
結局,最大限の注意をしても「100%防ぐことは不可能」ということです。
なお,各社調査結果の詳しい内容(会社名を含む)と対策は,「シニア・トラベラーの会」の例会で報告します。
http://home.t00.itscom.net/stf/