車で行くなら、日本の旅行ガイドはきれいさっぱり忘れた方がよい

 電車を前提としている日本のガイドブックは役に立たない。ドイツの本屋で、ADAC(ドイツの自動車連盟)のガイドブックを買った方がいい。
 スイスは、車で行けば、そこらの農場で馬や牛と遊んだり、ケーブルカーに乗ったり、温泉に入ったり、と、その本来の生活が見えてくる。逆に、ベルンやジュネーヴ、チューリッヒなどのスイスの狭い都会に車ではいったら大変。一方通行だらけで、ぐるぐると迂回させられ、かんたんには目的地にはたどりつけない。そのうえ駐車場が地下で、入口がわかりにくい。こういうところは、電車で行って、バスで廻った方が楽。

 ラウターブルンネンのキャンプ場は、美しい小川(というか、怒濤の雪解け水で、轟々とおそろしい)のほとりで、あまりにもなにもないところ(カネを惜しまなければ乗馬ができるくらい。買い物も駅前に小さなコープがあるだけ。一日数時間しか日の当たらない谷間の湿地帯平原を歩くのが好きなら、高山植物は美しい)なので、親だけが空回りして、子供はまったく喜ばなそう。昼間っから半裸で友人たちとビールをかっくって肉を焼いてヨタを飛ばす、など、それなりの楽しみ方はあるのだが、なれていないなら、やめておいた方がいい。日本人一家は、よほどずうずうしい社交性がないと、場違いになるだけ。まわりは高級車で大型キャビンを牽引している超大金持ちばっかだし。

 ヨーロッパでホテルはシングルか、夫婦が泊まるところ。車で行くファミリーは、郊外のキッチン付フェーリエンヴォーヌンクが当然。寝室は2つ以上ある。表示は週貸しだが、交渉すれば3泊程度でも問題ない。

 スイスらしくて、素敵なお勧めをいくつか。
 1 イェニンスのロープウェーでファルクニス山に上り、山頂の氷河湖を見る。なだらかなハイキングコース。半日。もしくは、その反対側、温泉療養地バートラガッツの裏山のハイジランド。ケーブルカーで登ると、尾根道が整備されている。
 2 チューリッヒ郊外、ラッパースヴィル周辺のマリーナ。ザンクトモリッツやモントルーと並ぶスイス屈指の高級リゾート地域。湖に両側から半島が伸びており、スイスらしい景観。近くには、騎士団の城など、歴史的な遺跡も多い。(いまは博物館になっている。)
 3 グシュタート。モントルーとルツェルンをつなぐゴールデンパスライン上の高級リゾート町。どでかいファミリー向けホテルも多い。周辺は、絵に描いたようなスイスの牧場や民家が並んでいる。冬のスキー場として、僻地のザンクトモリッツよりヨーロッパ人には人気がある。リフトやケーブルカーもいっぱい。シオン城などと併せてどうぞ。

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1件のコメント

  • ありがとうございます!

    大変具体的かつ濃いアドバイスで とても参考になりました。
    本当に お詳しい方にお返事いただけて助かります。
    皆さんに 教えて頂けたので ぜひとも中身のある旅行となるよう
    しっかりと予定をたてます。 また週単位のレントも交渉次第とは知りませんでした。
    ドイツは 1日から借りられる家やアパートメントが沢山あるのですが
    スイスは 1週間単位しかないのかと諦めておりました。
    トライしてみます。 本当に 詳しい情報をありがとうございました。

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