レポート

上海の乗り物事情その3・・・・切符自販機と苦闘

公開日 : 2017年12月24日
最終更新 :

杭州站は4カ所の切符売場があるのだが、このうち3か所は自販機しか置いてない。自販機で外国人は切符を買えないことは聞いていたが、どうして買えないのか試してみたかった。

一カ所あたり10台以上置いてあり、並ばずに買える。JR東日本の指定席販売機に比べても遜色がない。ただ、駅名は主立ったところしか表示されてないような気がしたが、小さな駅はどういう指定をするのだろう。オペレーションも直感的に分かって素晴らしい・・・中国のIDカードのチップをかざしてくださいという画面になり、下の方のセンサーのところが点滅するまでは。

これ以上は絶対に外国人は進めない。チップだったら規格が一緒かも・・と淡い期待でパスポートのチップのところをかざしてみたが、もちろんそのような甘い仕組みにはなってない。これが切符実名制ということか・・・ということで諦めた。時刻表の類いが全くないため、この機械で電車の発着時刻を調べ、有人窓口がある切符売場に向かった。

有人切符売場には窓口は3つあり、「変更」が2つ、その他、ネット引き替えが1つとなっている。びっくりしたのは、3列の列ができていることである。中国の切符売場で列を見たのは初めてではないか・・・で、その他窓口に並ぶ。筆談で杭州東-虹橋、杭州東-紹興北の二枚の切符を買う。紹興から杭州に戻ってくるつもりであった。この窓口のいいところは、画面に切符の内容を表示させて、それを客の方に見せてくれることである。これはJR東日本も学ぶべきで、いったとおりのチケットかどうかは今の東では、紙をみるしか分からない。後で気づいたのだが、この切符、私のパスポート番号(お尻二桁はアスタリスク)と「TAKASHIMATAIRA」と氏名がローマ字で印字されている。・・・・

紹興では中国黄酒博物館(抗日系博物館以外では珍しく説明書きに日本語がある。)で計五種類の紹興酒を試飲して、魯迅の小説に出てくる咸享酒店で腕一杯のカメ出し紹興酒を飲んでたりしたところ時間がなくなり、杭州東発のCRHの時刻まであと一時間半、くらいに、ようやく紹興北站に着いた。杭州北までは20分、一時間に3本はあるので楽勝だが、杭州での観光ができなくなる。仕方ないか・・・と思いつつ、時刻を調べに自販機に向かった。

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1件のコメント

  • 上海の乗り物事情その4・・・・買えない切符、実名制の恐怖(?)

    ところが、直近一時間の杭州東行きが出てこない。隣の自販機で見ても同じ・・・一番早い電車に乗っても、手元にある虹橋行きの電車の発車時刻の3分後である。・・・要は直近は満席である。こんなことがあるのか・・・と思いつつ、仕方がない、紹興北から虹橋までの直行切符に切り替えることにした。どちらにしても今日の23時くらいまでには浦東空港に着かなければならない。ところがその電車も2時間後くらいの18:50発までない・・・窓口に行った。

    紹興北は小さな駅で切符売場は一カ所、有人窓口が2つあり、international 何とかと書いているところに並んだが、これは国際列車のことを言っていて、外人窓口ではないなあ。と思ったのは、電車に乗った後のこと。筆談で紙に書いた列車名のメモを出した。係員はディプレイを見せてくれて、こっちの考えている電車と一致、楽勝だなあ、と思っていた。が、彼は最終操作をしたところで中国語で何か言ってきて、現金とパスポートを返してきた。メイヨウ、ではない。切符を売ることができない、と身振りで教えてくれた。今時にしては珍しく、英語が全くしゃべれない人で、隣の窓口に行け、という。

    心臓の鼓動が早くなってきた。さっき席があるって見せてくれたのに、何で売ることが出来ないのよ。ここで電車の切符が買えなかったら、一体どうなるのか・・・隣の係員は女性だったが、トラブル内容は引き継いだみたいで、再びパスポートと現金とメモを出すと、端末をたたき出した。「You have another ticket?」ばかやろう、チケットを持ってないからここに買いに来ているんだろう!と悪態を日本語で言おうとした瞬間、鳥肌が立った。そう、チケットは確かに持っている。もう乗れなくなった杭州北-虹橋のチケットを。・・・・

    そのチケットを出して渡すと、いきなり話がスムーズになった。「このチケットをキャンセルしないとここからのチケットを売ることができない。キャンセルは可能だが、手数料が20%かかる。それでもいいか。」OK以外の選択肢はない。慣れたもので、退票費何とか・・という定額の領収書があり、既に10元とか1元とか印刷されたものを駅員が金額分ちぎって、キャンセル料分の「領収書」をくれる。JR東より親切である。

    が、
    ・もし、チケットを捨てて手元になかったらどうなるのか?
    ・これが翌日のチケットだったらどうなるのか?
    ・これが例えば北京-天津のチケットだったらどうなるのか?
    ・この仕組みだと、家族の切符を買うとなったらその家族のIDが必要なのか?
    等、疑問がつきない。第一、重なるとはいえ、区間は違うわけだし・・・一番穿った見方をすると、第三者の切符を買ってあげるような行為は認めない、のか、ひどく好意的に言うと二重購入をしないようにきちんと調べてあげますよ、だが、後者の可能性は「切符実名制」の趣旨からして、ないような気がするが・・・。

    もちろん、他の駅でも切符をキャンセルできる。(キャンセルだけ、ができるかどうか分からないが)ということが分かったのは収穫で、紙くずと思って諦めていた杭州北→虹橋の切符に「価値」が出来たのは良かったのだけど。・・・

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    上海の乗り物事情その5・・・・この電車は上海に行くのか・・・謎の行き先G7596列車

    荷物チェックを受けて、待合室に入ると・・・またも不安が増す事態に直面した。私の乗る18:50発G7596は合肥南行き、となっている。チケットには紹興北-上海虹橋とあるのだけど。・・・・・

    私も中国全土の土地勘があるわけではないが、それでも合肥は南京の方、確か南京の東の方ではないか・・・ネットで何とか調べたところ、予想があたった。

    http://seuaa.seu.edu.cn/_upload/article/0c/e2/9f048b524f0980b76717940e7bb7/8922e7f6-6dc3-4938-a440-c60ef795bc85.pdf

    少し古い二次資料だが、わかりやすいので引っ張らせてもらうと、一番右に上海、少し左下に杭州があり、そのすぐ下に紹興北がある。合肥は杭州から見て左上にある。東京で言うと(路線網は無視して)渋谷→東京の切符を持っているのに、渋谷から乗る電車は立川行き、みたいな感じである。

    上海鉄路局がどのような路線を持とうが勝手なのだが、さすがにここから合肥に行く列車が「上海経由」になるものなのか・・・この不安を筆談で近くの駅員に説明するのは筆舌に尽くしがたい・・・・しかも、すぐ5分後の18:55発の列車が「上海虹橋」行きとなっている。なんで係員はこっちの切符を売ってくれなかったんだろう。やはりこれもチケットを二枚買おうとした外人に対する陰謀ではないか?(余談だが、最高速度292キロ出す電車が五分間隔で走るとは・・これは新幹線だけの技術と思っていたのだけど、中国国鉄もそこそこやるものか・・ただ私はちょうど30年を迎えた高知学芸高校修学旅行生の事故・・・ちょうどその付近を行き来しているわけだが・・・以来、中国鉄道の技術は今ひとつ信用していないのだけど。)

    三末の不安くらいを抱えて定刻に発車した列車に乗車、杭州東を出て(新幹線のように停車中に次の停車駅が表示されればいいのだがそれがない。)車内放送に集中した。「下一站、桐郷・・・」やった、上海に向かっている。・・・・で、虹橋にも定刻に着いたのである。当たり前、なのだけど、これは温州(始発だった)-上海と上海-合肥は別の運行みたいな考えなのか・・・よく分からない。

    改札口はなぜか切符が戻ってくる(昔は回収していたかどうか・・)ので、ドラマだった三枚の切符はすべて手元にあるのだけど、人工衛星の「はやぶさ」ではないが、普通の出来事、しかも上海近くの日帰り旅行を「ドラマ」にしてはならない、と思ったのだけど、進んだのか、後退したのか(?)よく分からない中国高速鉄道のシステムである。

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