レポート

凶悪都市ヨハネスブルクの歩き方その6 ポンテ・タワーのツアー

公開日 : 2018年03月10日
最終更新 :

ホテルのロビーに10時50分頃降りると、ニコラスさんが待っていた。今日は助手席に座ってスタート。料金はR90とのことで、この程度なら安いものだ。一路、ホテルからポンテ・タワーを目指す。

このPonte Towerはあとでツアーガイドが14のドラマのロケ地になった、と言ってたが「ジャッジ・トレッド」「レジデント・イービル(バイオハザード)最新作」「チャッピー」の3つでおなじみの、あのVodacomの広告が付いているビルである。元々白人富裕層向けのタワーマンションであったのだが、CBDから富裕層が逃げ出すのといっしょに空き家、スラム化し、そこに黒人のギャングが入り込み、一時は映画のとおりの悪の巣窟みたいになっていたのが、黒人主体のNPOが中心になって再生し、現在は再生途中・・・というところである。

このタワーのある一帯はHillbrowと言われる地区で、ヒルブロウタワーというテレビ塔があり(昔は登れたそうだが、今は登れない。)こちらも行ってみたかったのだが、ツアーの時間がうまく合ず断念。ただ、このヒルブロウだけは一人で行くのはちょっと・・・11時前にニコラスさんの車で出発したのだが、このヒルブロウ地区に入って、びっくりした。要は所在なさげにうろうろしている若者、老人があまりに多く、ブラームフォンテンとは全く様相が違う。さすがにここを一人で歩けというのは、ちょっと・・と思いつつ、ニコラスさんは何事もなく走って行く。

グーグルマップだと、Dlala Njeの事務所(目的地)はポンテ・タワーの横の別の場所にあるのだが、ニコラスさんはそのままポンテ・タワーのゲートに向かう。大丈夫か?問題ない。みたいな会話をしながら、タワーのパーキングに入っていった。あのポンテ・タワーの中なんだ。・・・というよりは、無事事務所に着けるかが心配であった。この建物は地面から6階分がパーキング、7階が住居部分のグランドフロアになるのだが、そこに事務所があった。ニコラスさんに迎えに来てもらうことは必須(下手すると命に関わる、とまじめに思っていた。)でチップ込み100ランド渡して、帰りの迎えも頼んだ。職員と何かしゃべって大体の時刻をつかんだらしい。

このニコラスさんのしゃべる言葉が何語(ズールー、ソト、コザのいずれかと思うが)なのかを聞いてみれば良かったと後悔している。ジモティとすぐに話せるのはすごく心強く、これが白人の運転手だったらどうなったろう(まあ、最終的には道をよく知ってるかだけど。)と心底思った。

で、このポンテ・タワー、中はきちんと整備されていて一階には託児所、スーパーまである。後述するが、例のロケ地である地面のごつごつした岩のところで説明を聞いていても、横では子供がきゃっきゃっと騒ぐ声が聞こえる。まず52階にある事務所分室みたいなところに行き、このタワーの歴史、現在いかにして再生しているか等、いろんな話を聞く。私も含めて5人いた。(どうも南アフリカ人の英語は苦手で、白人でも黒人でも三分の一くらいしか聞き取れない。・・・)景色はもちろんいいが、中の部屋の構造も詳しく説明してもらう。

そしていよいよP6階・・・それは地面を意味するのだが、あのギャングが集っていた、ゾンビがたくさんいた、岩のフロアである。ロケ地に感動したのは久しぶりで、これだけでCBDに来た価値があったと単純に喜ぶ。おもしろいのは、ドコモは空港についてからずっとローミングがVodacomだったのに、ここでけは別の会社に変わる。このビルからVodacomはアンテナを撤去した、とのことだがVodacomに取っては、今や黒歴史なのかも。

そして事務所に戻ると・・ニコラスさんが待っていた。この時の安堵感は・・・言い尽くせない。ところがこのポンテタワーから車で出るのに苦戦し、パーキングのループを何度も回って、ニコラスさんが三人くらいの住民に道を聞いてようやく外にでた。そしてヒルブロウの真ん中に出て、SPARヒルブロウ店(こんなとこでよくスーパーをやるものだ、と思った。)を横目にホテルに戻った。

翌日のCity Sightseingの説明では、アフリカ各地からの移民はまずこのヒルブロウを目指し、各国人のコミュニティやらなんやらで混沌としているとのこと。CSもここだけは「ガイドを付けて行ってください。」と言ってたが、私もここだけは一人歩きは勧めない。誰かコンスティテューション・ヒル(ヒルブロウに隣接している)から、ヒルブロウタワーまで一人で歩いて行った、と言う人がいたら、ぜひレポートを挙げてほしい。

ちなみにツアー料金はR220、予約はネットで簡単にできる。ただし、現地までは「Uberで来てくれ。」と言われるはずである。
https://www.dlalanje.org/

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