レポート

微信支付は使ったものの・・・中国お金事情その1

公開日 : 2018年12月03日
最終更新 :

先日、ようやく上海に行ってきた。最大の目的は凍結されている中国銀行の口座を復活させることだったが、まあ、色々と変化している。

上海の中国銀行の場合、土日に営業しているお店がある。(以下、2018年11月の話。行かれる場合はご確認を。)元々口座を開設した外灘の上海市分行営業部は何と土日も10時~16時に営業している。しかも邦銀のようにオンラインを使えない「相談業務(ローンとか投信の購入相談)」ではなく、バリバリにオンラインを使う業務をやっている、のである。

昨年の交渉で勝手は分っていたので、二代前のパスポートを持ち込んで乗り込んだ。片言の英語と中国語で番号札係に普通預金口座の復活させたい旨告げると、すぐに番号札をくれた。窓口のお姉さんは中国語、英語対応と表示が有り、ここがやはり通じやすい。英語が全く通じない(そういう支店の方が多い)と預金の話は困難を極める。・・・

で、30分近くかかったが口座の復活成功。ついでに昨年復活させた定期預金口座の方で一年定期を作った。金利は1.75%でまあこんなものか。支店内のATMでカードも使ってみたがきちんと使える。よし、これで微信支付への結びつきが出来るはず、である。南京東路の入り口のコスタコーヒーに入ると早速とりかかった。

ところが「バンクカードの追加」の画面で、ATMカードの番号を入れるとBOCという表示が出て、カードの認識はしてくれるのだが、最後の電話番号のところで090~を入れると「銀行の情報と合っていません」みたいな表示が出て、03~を入れると「電話番号のフォーマットが違います。」みたいな表示が出る。中国銀行には固定電話の番号しか届けてないため、微信のコンピュータと中国銀行のコンピュータのどっちに責任があるかというと、中国銀行のデータに問題があるように見える。「今」しかないので、もう一度支店に向かった。登録電話番号を変えるため、である。

今回は番号札係に「登録電話番号を日本の携帯の番号に変える」というと「それはできない。中国の携帯番号しかだめだ。」と言う。先日の朝日新聞に瀋陽に赴任した支局員が口座を作ろうとしたところ、就労ビザを提示しているのにそれだけではだめで実際に職場に行きたい、ということで案内した、とぼやいていた記事を読んでいた。新規の非居住者開設はもちろん、居住者でさえこんな状態なので下手に動くと今度は口座凍結でなく、閉鎖になりかねない。とりあえず、「中国の携帯の番号を持っている。」と説明して、窓口勝負にでることにした。

今度の係のお姉さんは午前中に隣の窓口で「やっかいな日本人の対応」見てた人だったので、話が早い。「日本の電話が固定から携帯に変わったことを言うのを忘れていたので、それだけ変えたい。」と説明して、実際に手元のスマホの番号を見せたら手続きをしてくれた。ちなみに、番号札の私の前も日本人、後ろも日本人で、在留邦人かどうかは分らないが、依然として訪れる日本人が多い(?)ことも分った。

支店内で再び微信設定に挑戦したが、今度はエラー内容が変わった。「大陸の携帯番号を持ってないと登録出来ません。(中文だが)」これで私の挑戦は終了した。適当なSIMの大陸電話番号を入手することはできるのだけど、私自身は非居住者として取引しているので、番号だけ中国に変えるのは窓口のお姉さんが拒否するだろうし、仮にできたとすると、中国の法律違反、日本の国税にもうそを言うことになり、超面倒な話になる。

要は微信が(日本語ソフトがあるくせに)中国非居住者(=ほぼ旅行者)の銀行からのチャージを認めていないことがはっきり分ったので、これは今後の方針変更を待つしか無いか。・・・・ということで、微信支付にキャッシュでチャージした200元ちょっとを使うしかない・・・ということになった。

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3件のコメント

  • はじめまして!

    はじめまして、高島たいらさん

    僕も中国で銀行口座を作りました。
    ホテルの住所ですんなり作れたのですが
    3年後くらいに再度中国へ旅行した際、
    凍結されていました。銀行員に調べてほしいとお願いしても
    ちゃんと調べてくれずあきらめました。

    アリペイのツアーパスを登録して11月は使えました。
    でも旅行中に再度チャージができません。
    2019年年末年始に再度中国でアリペイを遣おうとするも決済できず。
    チャージもできなくて歯がゆい思いをしました。

    微信で中国の知人から目の前でチャージしてもらってもできませんでした。
    もちろんネットからの送金もできませんでした。

    せめてアリペイでも使えたらハローバイクやモバイクを利用して
    旅行中に効率よく動き回りたいと思っていましたができなさそうです。
    親切なホテルマンが自分のスマホを使って、自転車を借りることができました。
    外国人にとってはなかなか不便ですね。

    高島たいらさんが凍結された口座を復活してもらった記事を読んで
    とてもチャレンジャーで行動力があると思いました。
    これからも記事を楽しみにしています。

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  • 24時間オンラインバンキングーーリアルタイム決済

    高島さん、こんちにわ。

    在住者といえど、外国人は口座開設が非常にむつかしくなっています。
    いわんや、旅行者はまず無理だと思います。
    高島さんは既に口座を持っているので、中国の携帯番号を購入して、
    それを銀行に登録したらいいのではないかと思います。
    プリペイドSIMは比較的容易に購入できます。
    これでウィ―チャットにリチャージできると思います。

    >上海の中国銀行の場合、土日に営業しているお店がある。(以下、2018年11月の話。行かれる場合はご確認を。元々口座を開設した外灘の上海市分行営業部は何と土日も10時~16時に営業している。

    中国の銀行は土日営業が当たり前で、寧ろ、休みの支店のほうが少ないです。
    オンラインバンキングの24時間サービスでも、私の経験する限り、
    10年以上前からサービスしています。
    オンラインショッピング、航空券、列車のチケット購入は24時間、即時送金、決済されます。
    世界的ニュースるなるほどのオンラインショッピングの爆発的隆盛も、
    こういう24時間オンラインバンキングでのリアルタイム送金、決済
    という下地があったという要素が大きいと私は思っています。
    日本とは出たしから違っていたのです。
    なんといっても、日本の銀行は殿様商売ですから。

    私の関心から言うと、膨大な顧客を有するシステムを
    24時間リアルタイムで稼働させている、その技術に感心します。
    どう考えると中国のネットワーク器機会社が世界最大のシェアを獲得している
    というのも不思議ではありません。
    システムの信頼性という点ではかなりのものではないかと思います。

    日本人としてはやはり日本企業に頑張ってもらいたいです。
    (もうひとつのコメントへ続く)


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    Re: 24時間オンラインバンキングーーリアルタイム決済

    香港一番さん、こんにちは。

    中国は非居住者取引については利子への課税をしない(「居民」は20%課税)ので、この辺のルールは守らないとそもそも課税されてしまいそうです。中国の携帯の番号を申し出た場合、間違いなく「居民」かどうかが議論になるでしよう。

    中国銀行の窓口システムの場合、上司の権限が必要な時は昔は上司が磁気カードを持っていて、それを通溝しないとトランザクションが成立しない仕組みになっていましたが、今は上司の指紋認証で成立するようになっています。このあたりも、やはり一歩進んでいるような気がしますね。

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  • 微信支付は使ったものの・・・中国お金事情その2

    浦東空港に21時半頃着いたのだが、地下鉄の終電が22時ということを知らずに「プランB」を考えていなかったせいで、「行き方」に苦労して、宿に入ったのが24時。さすがに飲みに出る元気はなく、ホテルの近所の食堂で夕食を取った。

    いよいよ会計、中国での初微信支付である。画面を見せたら「ウェイシン」と言わなくてもすぐに分ってくれたが、レジのおじさんはレジの切り替え操作を知らず、若者と代わった。こっちはすごく緊張(?)していた。ここはスマホ画面を読み取る式でピッとスキャン。今までの日本での反応と違う。SMSも飛んできて、支払い成功。やっぱり日本で使えないだけなのね。

    きちんといつ、どこで、何円支払ったかが記録に残るので、レシートも要らず便利がいい。しかも決済したお店から微信宛てにお得メッセージが飛んでくる。(この辺はラインとかと同じ。)全家(ファミマ。ちなみに上海のコンビニは昔と異なり、ファミマ、ローソンでほとんど独占状態になっていて、好徳とか減っているように見えたのだが・・・地場資本がんばれという感じである。)からは会員になりませんか?と来た。

    さらにキャンペーンとして「肉。欲。」と来ている。何でコンビニがこんなメッセージを・・・と開けると、日本語コピーにすると「お肉が食べたい!」みたいな話で、お肉の商品がずらっと並んでいる。「酒池肉林」の話と同じで、ハーレムでなく串焼きの肉が林のように並んでいるのである。「史記」の時代から2000年経っているのに、隣国民の一人は未だ漢字をきちんと理解していないということで、深く反省した。・・・・・

    翌日の朝ご飯は別の食堂で麺を食べたが、今度はレジに行くとQRコードが張っている。これが「お店スキャン&金額打ち込み式」ね。スキャン画面を出してウェイシンというと、お姉さんがいっしょに操作してくれた。まずお店のQRコードをスキャン、金額を入れて暗証番号を入れる。(逆だったか・・・ちなみにお店スキャン式はここだけだけしか使わなかった。)また、このお店スキャン式の結果連絡は、金額スキャン式と別のフォルダに入る。

    鉄路の場合、窓口にスキャナーがこっちを向いて設置されていて、それにスマホを向ける。前に支付宝と微信支付と現金しか使えないコインロッカーのことを書いたが、港珠澳大橋口岸の連絡バス(シャトルバスではない。念のため。)チケット自販機は支付宝と微信支付しか使えない。この辺は「居住者しか使えない(=外人は窓口で買え。)」ということなのかも知れないが、恐れていた事態(クレカも現金も使えない)が進んでいるようにも見える・・・。

    また、微信支付では登録クレカ(もちろん日本のクレカ)が、「微信のキャッシュで払えきれなかった場合のパックアップになります。」と記載があるので、微信支付キャッシュの残高を上回る金額は、差額がクレカ決済(=実質、クレカによるチャージ)になるのかと、これも実験してみたが、エラーが出てだめ。結局、クレカは口座開設の本人確認以外の役割は果たさないようである。それでもQRコード世界が広まるとなると。・・・・

    が、銀聯がコンタクトレスカード(日本式に言うとICカード式の電子マネーだが、この言い方に統一する。)「QuickPass」を発行しており、これが案外健闘しているように見える。上海の場合、支払い方法は大混乱していて、一番わかりやすいのが地場最大のコスタコーヒーのレジである。日本のコンビニのように支払方式の一覧が表になって載っている。私が入ったあるお店では銀聯コンタクトレスカードを使おうとしたら使えず、店員が別の表で説明して、銀聯のクレカで支払っている人もいた。

    これもしつこく言っているが、QRコードよりコンタクトレスカードの方が手間暇がかからないので、コンタクトレスカード陣営は銀聯とも組んでQRコード陣営と闘うべきである。(日本でも今日からペイペイが大キャンペーンを始めたので、大戦争(?)の幕開けの日になると思う。)

    私は念のため銀聯クレカも持っていたのだけど、時代遅れ(?)でもなく、これが案外健闘した。特に鉄路の窓口は、クレカは銀聯しか表示がなく(VISAでも払えるのかな?)大活躍した。レシートには「日本三井住友卡公司」と印刷される。地鉄はQRコードのチケットもあり、スマホをかざしている人も何人か見たが、やはりきちんと読み取れない場合があり、個人的にはありゃだめだ、と思った。・・・いつまで経っても減らない公共交通カードで行き来していた人間の感想だが。

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    キャッシュレス社会

    こんにちは高島さん、楽しく読んでます。

    さて、空港からどうやってホテルへ向かったのでしょう、。気になりますがたぶん空港バスかなあ。

    支払い時にスマホを差し出したらすぐにわかってくれますね。
    仰るように2通りあります。こちらが相手のQRコードをスキャンするのと、こちらのスマホ上のコードをレジのスキャナーが読む。当然後者のほうが読み取りが速いです。でもお店としてはスマホコードを客がスキャンするほうがお店側の初期費用で有利ですよね。小さなお店はみなこの方式です。

    ウィーチャット、アリペイともに、日常のほとんどの支払いのプラットフォームになっていて、リアル店舗、ネット通販からホテル、航空券、列車、光熱費の支払い、携帯SIMのリチャージ、送金、滴滴(的士、ウーバー)、シェアバイク、もう何でもござれの機能がウィ―チャットとアリペイのアプリに乗っかっているんです。もうプラットフォームですね。これで、何でもできる。
    銀行が大文句を言っているのも理解できます。なぜなら、銀行口座はアリペイ、ウィーチャットの入出金用だけに使われているのですから。人々は預金は高金利のアリババのような理財商品を利用してます。

    私のウィーチャット、アリババは中国人とほとんど同じサービスを利用できますが高金利理財商品は外国人に開放していません。それでも銀行預金は日本よりずっと高いのでたとえ20パーセントの課税があっても(日本と同じ)、ノーリスクハイリターンは魅力的です。ただ、為替リスクはあるけれど、日本円に戻さず中国で消費するならそれほど関係ない。あるいはドル、ユーロなどの他の通貨とレートによっては交換しても有利かな。

    近頃は交通機関でアップルペイを使う人が増えました。北京、上海ではアップルペイでの支払い若しくは改札のスキャナーが顧客のQRコードを読み取る。使っている人が多くなりましたね。日本の銀聯カードもアップルペイ対応してほしいのです。もしくはコンタクトレス機能を搭載したらかなり使えるところが増えるんですけど。

    中国鉄路のチケット購入で利用できるカードは銀聯のみです。

    北京、上海地鉄の改札のスキャナーは沖縄ゆいレールの改札と同じ、QRコードをスキャンする方法と同じなのです。それで、私はこれはスマホアプリを開発したら大儲けできるなと思ったら、既にゆいレールがアリペイと組んで、他の日本企業と技術研究を始めたとニュースで読みました。でもその後の続報がないんですよね、いったいどうなっているのやら。ゆいレールの車内も中国人観光客で満員で、国際通りもしかり、リゾートホテルにも中国人、沖縄はもう日本本土を相手にするより、広くアジアを取り込んだほうがビジネスチャンスが広がりそうです。(といっても、こう言っちゃなんですが沖縄人のやる気はイマイチという感じがするのですけど)

    珠海デルタ一周のレポート読みましたよ。
    ちょうど一週間前に香港にいて、ほとんど同ルートを考えていたのですけど。
    朝ホテルを出て、九龍から広州南乗り換え、珠海から陸路マカオへ。橋を渡って午後4時ごろ香港空港まで、とう計画で。ただ、いくら変更可能な航空券といえど、あわただしい。本来のフライトを変更するのも気分的にイヤで、時間がたっぷりあるときにゆっくりと巡ることにします。
    ちなみに飛行機の窓から、橋と香港側口岸の人工島を眺めることができます。
    (でも、あの橋の建設に、日本人設計技術者と施工技術者が参加しているといえど、ちょっとこわいなあ)