ミラノ・レアレ王宮で開かれている『ヨーロッパとカラヴァッジォ』展に
行ってきました。来年二月六日まで。9ユーロ。定休日無し。
Caravaggio e l'Europa
http://www.caravaggioeleuropa.com/
彼の作品は7点のみ。昨年のナポリと違い,他は彼の模作,そして大部分が彼の影響を受けた
スペイン初めの無名作家を含む約100点を展示した題名通りの展示。
彼のは次の7点。
1) 羊飼いの礼拝ーメッシーナ国立美術館
2) ラザロの蘇生ー同メッシーナ国立美術館
3) 眠るアモールーフィレンツェ ピッティ美術館
4) 洗礼者ヨハネーローマ ボルゲーゼ美術館
5) ロレートの聖母ー同サンタ・アゴスティーニ教会
6) 桂冠のキリストーウィーン美術史美術館
7) キリストの捕縛ーアイルランド,オデッサ
ただ,照明位置と光量の強さから,1) など上の方に暗さのなかに描かれた効果的な
天井梁などの描写が 飛んでしまい,人物など明るい部分のみが目立ち,
観る場所を変えながらしたが,キアロスクーロ画家の 彼の手法を捕らえきれず物足りなかった。
逆に本来,教会の高い位置にある5) は,今回,目の前で鑑賞でき又,違う感じがした。
5) までを現地で見ようと思う人はミラノに会期中,出張?しているのでご注意を。
同様にスペイン・バルセロナで『 Caravaggio i la pintura realista europea 』展と
同じような展示が来年一月十五日まで開催。
*キリストの笞打ちーカポディモンテ国立美術館 ナポリ
*マルタ騎士団員の肖像ーピッティ美術館 フィレンツェ
*蜥蜴にかまれる少年ーロベルト・ロンギ財団 フィレンツェ
が,スペインに行って不在?です。
以上,イタリアに彼の作品目当てに行かれる方,ご注意を。
Mantova ,ドゥカーレ宮の
『ルーベンス メディチ・ゴンザーガの エレオノーラ』展へも行ってきました。
公開は最初で最後ではと言われるルーベンス26歳の作品「キリスト降架」。
独人コレクタのもの。
縦 203 横 257 cm の大画面,キリストを中心に十字架から降ろす左にジュゼッペとセルヴィトーレ。
右にはニコデーモ,ジョヴァンニ。足下にはマリアとマグダラのマリア。その後にも。
特にマグダラのマリアの瞳と表情には感嘆。
女性の表情,特に瞳の訴えを描かせたら秀逸な彼の若き作品。
横にやや小さいキャンバスに模作したフランチェスコ・メルコレオーニのも並べてあるが
差は歴然。
右にもルーベンスの翌年の作品があり,ここではマグダラのマリアが,また別の表情を
呈しており,頭髪の形・色も含め彼の変化と解釈が表れていました。