先日、友人を尋ねて中国東北地方のある都市を訪れた時の事。
普段と変わりなくスルスルと離陸滑走に移ったボーイング機なのですが、どうも加速感が足りないように思ったのです。もちろん周りの乗客はそんな事は全く気にも掛けず平静そのもの・・・かなり距離も走っているのにやっぱり速度が足りないように思っていました。
「え?え?え?」ジヮーッと冷や汗が出てきましたが、周りの人の目を気にして騒ぐ訳にもいきません。シートベルトをきつく締め直し、覚悟を決めるしか方法はありません。本当に飛ぶ気かよ!?
すると滑走路ぎりぎりでしかたなく(笑)エレベーターは引かれ、何と浮いてしまいました。浮いたといっても、どうみてもフラフラの状態・・・「落ちる~!」。しかし何とかごまかして低空のまま必死で加速を試みています。「がんばれー!」ボクは心の中で必死の応援です。
祈りが神様に通じたのでしょう、何とか持ち直して安全高度まで達し、ベルトサインが消えました。汗びっしょりです・・・。
すかさずボクは乗務員を呼んでキャプテンに手紙を渡してくれるように頼みました。もちろん笑顔で。
「先ほどの離陸はどう見ても失敗でしょう?どこか調子が悪いかな?」
しばらくして綺麗なスチュワーデスさんがボクにそっと返事の手紙を渡してくれました。そこには一言。
「着陸は期待していいよ、見ててね」・・・・。
この日のランディングは今まで経験したことが無いくらい素晴らしいものでした。