レポート

銀聯カードの日本進出

公開日 : 2005年12月25日
最終更新 :

 今でも「中国でのお金の両替の仕方、ATMの普及具合を教えてください。」という質問は多いですが、そうこうしているうちに、中国人観光客はそういう心配をしなくてよくなりそうになってきました。

 三井住友カードが12/15より中国銀聯(銀連)カードの日本の店舗での使用開始との発表、続いて三井住友銀行とJCBカードが自社ATMを銀聯に近日中に開放するとの発表。・・・・これで9億枚とも言われる銀聯マーク付のATMカードを持った中国人は日本で買物もATMからの円の引出しもかなり簡単にできるようになります。

 「銀聯」はご存知のとおり、中国人民銀行が主導して作った中国の銀行のネットワーク。日本の全銀ネットとJ-DebitとJCBカードが三つまとまったような組織。と言ったらいいでしょうか。日本の店舗で使えるのはデビットカード機能。中国の銀行のATMカードにはほとんどこの銀聯マークが付いているので、銀行口座を持っている中国人は全て対象になるようなものです。

 先日、新宿のヨドバシでこの銀聯カードを使ってみました。まだ、あまり知られていないせいか、ヨドバシでも対応端末が二台しかない。ということで、各フロアのレジで申し出て、端末のあるレジまで商品を持っていく必要があります。松下製の端末で、普通のCATみたいにカード(中国銀行上海支店のATMカード)を通して、暗証番号を入力、さらにサインが必要ですが、三分もかかりません。「本当に日本でも使えるんだ・・。」と変な感慨にふけりながら、店をでました。

 先年、香港に開放されたため、香港の店舗は次々に「銀聯」マークを付けるようになりました。JETCOのATMもやはり「銀聯」マークを付けるようになったので、香港のATMでも試したことがありますが、問題なく上海の口座からおろすことができました。HPを見ていると、フランス、ドイツでも利用が始まった。とあるので、この調子で行くとVISA,MASTERに続く第三の「決済組織」になるかも・・・・。

 日本の銀行のATMカードのほとんどに付けているJ-Debitがどこかの外国で使えるそうかというと・・・そんな話は聞かないですし、今の日本の銀行は「生体認証」とかで世界の主流からますます外れた方向に進んでいます。・・・現実問題として、アジア地域で使うならば日本の銀行のATMカードより、中国の銀行のATMカードを持っている方が便利がいいわけです。韓国、タイなども「銀聯」は開放されていますし・・・・。

 銀聯はまだ直接「クレジットカード」を積極的に進めているようではないですが、この調子だと「銀聯クレジットカード」を本格的にやりだすと、JCBの「対アジア戦略」などすぐに「勝負」がつくでしょう。日本のクレジット会社も「銀聯」をつけたほうがいい。と判断するとこもでてくるでしょうし・・・・。

 ということで、日本のお店での「銀聯マーク」の増殖度はどうなるか・・・日本で提携している三井住友カードは2006年から本格的に「加盟店開拓」を始めるそうです。

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2件のコメント

  • 05/12/25 08:21

    Re: 銀聯カードの日本進出

    日本でも使えた、というのは大きなニュースですね!
    ○○マークが使えるところではおろせる、
    という説明はあるものの、実際欧米のカードだと郵便局以外ではお金の引き出しはできないし、
    個人の換金は制限があるし、と
    いろいろ外国人旅行者には制限がありますからねぇ。。。

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  • Re: 銀聯カードの日本進出

    「銀聯」の発音を教えてください。

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