よく、外国でタクシーを利用するときに、ぼられないか、犯罪にまきまれることはないか、きちんと目的地に行けるか?等を質問する人が多い。それはきっと、日本のタクシーはメーターがあるし、最短距離を行ってくれるし、正しく目的地に行く、という「先入観」があるからだと思うのだけど、少なくとも東京に関しては、外国並みの「注意力」を払ってないと、危ないような気がしてきた。
日頃、仕事でもプライベートでも、タクシーで移動することは滅多にないのだけど、仕事上の都合で、品川区の某所から、文京区の某所へ、3カ月の間に同じ目的地に3往復する機会があった。目的地は某役所のすぐ近くなので、役所の名前を言うと、道が分からない、という。一回目のタクシーに至っては、GPSをセットするからということで、わざわざ路肩に車を止めて操作、である。
山手線内でうろうろするくらいだし、しかも役所なんだから、「あたり」くらいはつけて行けないの?と思いつつ、そもそもタクシーの運転手がGPSを使うこと自体、どうかと思っているので(昔、オートマのタクシーに初めて出会ったときには、タクシーの運転手がオートマを使うか!、と嘆かわしく思ったが、今やマニュアル車は「絶滅危惧種」になっている。・・・)イライラが募る。そのGPSの道筋というのが、もうちょいどうにかならんのか、というコースで・・・運転手は何とも思わないのだろうか?二回目の運転手も、やはりGPSに頼り切り。往復の六回で、各数千円の料金なのに最大500円くらい違った。
三回目のタクシーはたまたま台東区本拠のタクシーだったせいで、その目的地に行ったことがあり、「白山通りから行きますか?本郷通りから行きますか?」と、なかなかつぼを押さえたことを言う。ようやく安心できるタクシーに乗ったという気分で、「・・・劣化しているのではないか?」の話を振ってみた。
すると、「その通りだ。」という。景気の悪化が主原因で、たとえばバブルの頃(古すぎるか・・・)なら、長距離客が多かったので(あの頃はGPSがタクシーにはついていなかった。)、遠くまで行き、かつ、「本拠地」に戻らなくても、アウェイの場所ですぐ客が拾えたので、また、そこからよりアウェイの場所にいかざるを得なくなり、そうやって、みんな道に詳しかった。・・・
が、最近は短距離客のみ。ちょこっと行っても、その辺にとどまっても客はいない。また本拠地にもどってこざるをえなくなり、結果として、本拠地近辺をうろうろしかしない「引きこもりタクシー」が増えているので、長距離はGPS頼りになる、という。
ちょっと前には、足立ナンバーのタクシーは、テリトリーで生きて行けず、品川ナンバー地域に出稼ぎに来ているので、品川ナンバー地域でタクシーに乗るときは、乗る前にナンバーの確認をした方がいい、と言われたことはあったが、そういう果敢なタクシー(?)も減って、みんな「引きこもり」になっているのか・・・。
ということで、東京のタクシーは確かに料金はメーター通だが、道順については、だんだん怪しく(?)なってきている。地方から出てくる人は、少なくてもアジア並みの注意を払って(?)乗った方がいいかも知れない。・・・