レポート

ルードヴイッヒ二世と皇后エリザベートの密会場所・・・シュタンベルク湖その1

公開日 : 2015年04月11日
最終更新 :

 昨日のいやらしい、違った、すばらしいバレエを見た余韻で、気分はもう「情事、密会、秘め事」モードである。その気分で朝早くのミュンヘンHbfへ向かった。目的地はS6の終点に近いStarnberg、そうルードヴィッヒ二世が死んだあのシュタンベルク湖である。(歩き方とかはシュタルンベルクと書いているが、シュタンベルクの方が近いような気がする。)

 これほどの有名地でありながら、歩き方には全くガイドがない。歩き方の「ミュンヘンとその周辺」の地図にはかなり細かく出ているのに、何で本文で全く載ってないのか、不思議である。こういう時はロンプラ頼り、なのだけど、そのロンプラも三分の一ページくらいしか載ってなく、もう一つの目的地のPossenhofenについては、記載がない。

 ここにはルードヴィッヒ二世の従妹にあたり、オーストリア・ハンガリー帝国のハプスブルク家に皇后として嫁入りしたエリザベートが幼少を過ごしたポッセンホーフェン城があり、さらにその隣のFeldafingにはエリザベートが里帰りするたびに必ず泊まっていた「ゴルフホテル カイザリン エリザベート」(ウィーンのホテルとは関係ない。念のため。本人が滞在したホテル(当時はただのゴルフホテルだったのだろうけど。)で、いつも泊まった部屋が今でもある。)がある。中央線で荻窪、吉祥寺、三鷹と行くようなもの(MVVの路線図を見る限りでは。)に見えるが、いかんせん、情報が少ない。とりあえずシュタンベルクに行って、そこで考えるか・・・ちなみに、ルードヴィヒ二世とエリザベートがたびたび密かに(?)会っていたRoseninsel(薔薇島)もこの湖にある。

 火曜日の7時台で通勤時間よりやや早いのと方向が逆なのですいている。30分ほどでシュタンベルクへ到着。ちなみにフライジングもそうだが、長距離列車の到着駅でもあるので、RBだと20分くらいで着く。駅の南側はすぐに湖で・・・・朝焼けと冬の水のきれいさも手伝って、美しい。ちょうど真南を見る形になって遠くにアルプスが見える。ドイツで四番目の大きさの湖だそうで、平日の朝のその時間にもバックパッカーが数人湖を眺めていた。

 船着き場がすぐのところにあり、さらに湖沿いに散歩コースが設定されていて、ルードヴィヒ二世の最後の地であるベルクまで途中に寄り道しながら歩いて行ける。が、まずは目的はエリザベートのポッセンホーフェンである。駅前に本屋が開いていた(この時間に・・・)ので入ってみた。何とシュタンベルクの地図やら、ガイドが売っていて、とりあえず地図とガイドを一冊ずつ買って眺めることにした。見ていたら、ポッセンホーフェン城はポッセンホーフェン駅から歩いていけそうである。Sバーンに乗り、隣の駅まで行くことにした。

 ポッセンホーフェン駅自体はSバーンしか止まらない小さな駅なのだが、駅に付属(?)してKaiserin Elisabeth Museumという小さな博物館がある。もっとも、殿様商売(皇后様商売か・・・)で、開館時間が5月~10月半ばの金、土、日の12時~18時、となっていて、もちろん、今日は開いてない。しかし、ここで観光パンフを入手(雨除け付きの台に置いてある。)ぱらぱら見ていると、ビンゴなコースがあった。Elisabethweg(この何とかwegというのは、ドイツ観光局の何とかStrasseの影響を受けている。・・・困ったものだ。)

 大雑把に言って、博物館→ポッセンホーフェン城→Roseinsel(薔薇島)→Golf hotel Elisabeth Kaisarin→ポッセンホーフェン駅と戻ってくるコースである。が、弾丸は15時15分発の羽田行きに乗らなければならない。その前にシュパーテンハウスかホフブロイハウスで一杯飲むタスクも抱えており、ミュンヘンHbfには10時半には戻る必要がある。まあ、行けるところまで行ってみるか・・・。

 ポッセンホーフェン城は湖に向かう下る道を歩くのだが、雪が残っていて歩きにくい。お城まで15分くらいかかっただろうか。ここは私有物なので公開されてないため、建物の外から見るだけなのだけど、ここで彼女は育ったのね。・・・特に何の変哲もない洋館である。フランツ・ヨーゼフと出会うバート・イシュルにもここから旅立っているので、なるほどねえ。すぐ近くに湖の船着き場がある。夏はこことシュタンベルク、ベルクを結ぶ観光船が走っているのだけど・・・湖はとても美しい。対岸がちょうどベルク城にあたり、右手の方には多分あれがRoseinselだろうという木々が見える。彼女が毎日見ていた光景には違いない訳で、こういうところで育つと、ハイジではないが、ウィーンの宮廷なんかは退屈だろうなあ。という気がしてくる。

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1件のコメント

  • ルードヴイッヒ二世と皇后エリザベートの密会場所・・・シュタンベルク湖その2

     Roseinselの方に歩き出すが、この辺はヨットの係留地で夏はヨットを楽しむ人でにぎわう、かなりの高級リゾート地だとのこと。途中のSeewegというところで引き返すことにした。ちなみにRoseinselはエリザベートとルードヴィヒ二世が何度も密会を繰り返した島。二人には男女の感情はなかったとも言われるが、いずれにしろこんなところで王国の王と帝国の皇后が合わなくても、ミュンヘンの街の王室関連の施設で会えばいいじゃないの、と思うけど、どうなんだろう。

     Golf Hotelはエリザベートの定宿で、日本からも好きな人は泊まりに行くそうだが、彼女がいつも泊まった部屋にも泊まれるらしく、レストランでは彼女が食べたものと同じメニューを出したりもするとのこと。エリザベートご用達のお店はいたるところにあるが、なぜ、里帰りした時はミュンヘンの王室関連の施設に泊まらず、こんなところに泊まったのか、考えてみるのもおもしろい。ちなみにルードヴィヒ二世がノイシュバンシュタイン城で逮捕され、ベルク城に連行された時も彼女はこのホテルに滞在していて・・・・後はミステリーとなっている。一説には今のシュタンベルクの船着き場あたりに船を用意して、彼を連れて南に逃げて、スイスに亡命させる手筈だった、とか、この辺は色々と調べるとおもしろい。

     Sバーンでシュタンベルクに戻るが、時間の関係で今からベルクに行くのは難しくなった。ベルクに行くバス乗り場は、湖を背にして駅の北口から右手の方に少し歩いたところにあり、Bergに行く961番バスもここから出る。

    http://www.mvv-muenchen.de/fileadmin/media/Dateien/plaene/pdf/VLP_Lkr_STA_2015.PDF

     が日曜は一日四便というどっかでみたのと同じパターンで、片道5キロくらいなので、少なくても湖岸の道を歩いていくことをお勧めする。(遊歩道が整備されている。)もう一度シュタンベルク湖の船着き場で佇んだけど、やはりきれいな眺めだ。しかも、彼も彼女もずっとこの光景を見ながら生きていたわけで、それを思うと不思議な気がする。

     ポッセンホーフェンのガイドブックにはElisabethをdie spaetere Kaiserin Elisabeth von Oestreich und Koenigin von Ungarnと記載があり、この辺は厳密なのね、と感心。また町中に二人の肖像と「Koenig und Kaiserin」とかいうステッカーみたいなのがあって、やはり特別な街である。・・・

     夏の適当な時期に、ポッセンホーフェンを半日、ベルクを半日くらいでゆっくり回るのが理想のコースと思ったので、また「情事、密会、秘め事」モードにしてから、再訪してみたいものである。

     

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